研究分担者 |
宮島 大一郎 福井県立短大, 農学科, 助手 (40157649)
勝田 英郎 福井県立短大, 農学科, 助手 (90194787)
松山 松夫 福井県農業試験場, 野菜花き課, 主任研究員
森 義夫 福井県立短大, 農学科, 講師 (50174389)
奈須田 和彦 福井県立短大, 農学科, 教授 (20172570)
MATSUYAMA Matsuo Fukui Prefectural Agricultural Experimental Station
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
1.耐病性個体選抜のための幼菌検定法について検討した. その結果, うどんこ病は噴霧接種方が, つる枯病は菌液の多針有傷接種が適していた. つる割病については汚染圃場で育種過程において選抜する方が望ましかった. 2.施設栽培用ネット型メロンとして計1495株より24の優良個体を選抜した. また, 露地栽培用ノーネット型メロンとして1710株より31個体を選抜した. うどんこ病低抗性およびアールス型ネットを持った株の出現率は高かったが, つる枯病低抗体および高糖度果実をつけた株の出現率は低かった. 選抜は雑種第2, 3代で行うのが良いことがわかった. 3.組織培養による増殖には側枝の節を用い, BAP0.5〜1μMを含む培地で培養後, 得られた苗条をBAP0.5μMを含む培地で継代培養するとよいことがわかった. 発根にはNAAまたはIBA0.1〜0.3μMを含む培地が適していた. 増殖率には品種間, 系統間にかなり差があった. 最も増殖が容易であった選抜系統は'15-6'であった. 春作での先発後次年の春作の定植期までに計算上(2000×6^3)×7≒3.0×10^5本の幼植物が得られていることになり, 充分に実用化できることがわかった. 4.組織培養苗は圃場の土壌条件が悪いと初期生育が不良になり, 葉面積不足から果実が小さくなり年度も低かった. この欠点は苗条を直接カボチャに接木することで克服できた. 耐病性は他のF^1品種よりはるかに優れていた. 5.選抜系統'15-6'をメロン栽培農家に委託して試作した. その結果, 平均果重1400g, 平均糖度15.8度であり, 現地に普及している既存品種に比較してきわめて高い評価が得られた. 現在'バイオエース'と命名して組織培養による繁殖用品種として農水省に登録申請中である. 6.育種とin vitro増殖を組み合わせたこのシステムの実用的価値は充分実証された. 同じ考え方で行ったトカト青枯病抗性系統の組織培養苗生産においても本システムの有用性が確認できた.
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