配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
1.RNA型植物ウイルス及びウイロイドの遺伝子診断を行なうため, 遺伝子診断用プローブを作製した. タバコモザイクウイルス, イネ萎縮ウイルス, イネ黒条萎縮ウイルス, イネragged stunt ウイルス, インゲン黄斑モザイクウイルス, ホップ矮化ウイロイドーキュウリ変異株の各ゲノムRNAからcDNAを合成し, 大腸菌でクローン化した. 2.得られたクローンの解析の結果, 上記各ウイルス, ウイロイドと特異的に分子雑種(ハイブリッド)を形成するcDNAが多数選抜され, 遺伝子診断用試薬(プローブ)の供給が可能となった. 3.各cDNAクローンから, タバコモザイクウイルスの全ゲノム構造を始め, イネ萎縮ウイルス, イネ黒条萎縮ウイルス, イネragged stunt ウイルス, インゲン黄斑モザイクウイルスのゲノムRNAの塩基配列の一部を解析した. その結果, 各ウイルスはそれぞれの種類に特徴的な調節・発現機構を持つ事が明らかになり, 遺伝子診断のみならず, RNA型植物ウイルスの発病機構解明に関する多くの重要な知見が得られた. 4.ウイロイドに関しては, ホップ矮化ウイロイドーキュウリ変異株の全長cDNAをプローブとして各種植物で遺伝子診断を行なった結果, 新たにホップ矮化ウイロイドの変異株が, ブドウ, カンキツ, スモモ, モモに感染している事が明らかになり, ウイロイドの病原性とその発生分布を明らかにする上で大きな成果があった. 5.化学合成オリゴヌクレオチドをプローブにしたウイルス, ウイロイドの遺伝子診断の検討をした結果, 合成オリゴヌクレオチドプローブは, 従来の生物検定法や全長cDNAによる遺伝子診断法では識別困難であった近縁ウイルス, ウイロイド間の1〜2塩基という極めて小さな変異の識別に有効である事が明らかになった.
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