研究課題/領域番号 |
60860008
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐久間 敏雄 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001756)
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研究分担者 |
波多野 隆介 北海道大学, 農学部, 助手 (40156344)
森下 諦三 東京農業大学, 講師
岡島 秀夫 北海道大学, 農学部, 教授 (60001385)
MORISHITA Taizo The Tokyo University of Agriculture , Leeturer
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 安定同位体 / 重水 / 重窒素 / TCDガスクロマトグラフィー / テンションライシメータ / インテークレート / 物質循環 / 安定同位元素 / トレーサー / 土中水分移動 / 土中イオン移動 / TCD-ガスクロマトグラフィー / 疎水性触媒ビーズ |
研究概要 |
安定同位体としてD,【^(15)N】を選び、野外実験にそれらを利用する際の問題点を検討し、一連の手法を確立した。1)低濃度域におけるTCDガスクロマトグラフィーによる重水分析精度は、軽水電解水素ガスをキャリアーガスとして用いた場合、土2ppm以内にできる。自然存在率付近の低濃度試料の分析には、1ロット(20点)に2〜3点の標準試料を加えて分析することによって、上記の精度を維持できる。 2)土壌試料から重水定量用試料を分離・精製する真空蒸溜装置を改良して、精製の能率を向上させた。 3)野外において重水分析用試料(試水)を継続的に採取するテンションライシメータを開発し、その機能を調査した。テンションライシメータは土壌水分吸引圧250cm【H_2】O以下で適用でき、高吸引圧条件で若干の同位体効果が認められたが、補正可能であった。 4)以上の手法を用いて、浸潤過程における水の挙動を解析した。この結果、浸潤過程においては浸潤水の分布はきわめて不均一であり、土壌の粗孔隙系の構造に依存することがわかった。このため、現在一般に用いられるシリンダー法によるインテークレートの測定は再検を要することが示された。 5)現地圃場における重水追跡においては、自然水による稀釈が問題である。泥炭地の排水の効果を重水を用いて追跡した結果によると、添加重水濃度2000〜3000ppmでは、稀釈効果によって追跡が困難になる例が認められた。 6)重水と【^(15)N】【O(^-_3)】を併用した野外実験の結果、重水は浸潤時に粗孔隙のバイパス効果によってやや急速に下層に排水され、土壌に保持された部分は、蒸発によって徐々に失われていくことが明らかになった。粗孔隙流は【^(15)N】【O(^-_3)】の溶脱にも効果的に作用し、短時間で深層まで運搬されることがわかった。
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