研究課題/領域番号 |
60860011
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 秀明 京大, 農学部, 教授 (30027180)
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研究分担者 |
長沢 透 京都大学, 農学部, 助手 (60115904)
清水 昌 京都大学, 農学部, 助手 (70093250)
和泉 好計 京都大学, 農学部, 助教授 (40026555)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | セリン / スレオニン / メタノール資化性細菌 / 酵素的合成法 / メタノールデヒドロゲナーゼ / セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ |
研究概要 |
L-セリンは各種のアミノ酸や核酸、リン脂質などの前駆体となり、それらの合成原料であるとともに医薬品や化粧品の湿潤剤として利用される重要なアミノ酸であるが、糖からの直接発酵が困難であり、現在糖およびグリシンを原料として発酵生産されている。しかしながらその生産性は低く、より安価で効率的な製法の開発が強く望まれている。本研究は将来の発酵工業の培養原料として有望なメタノールを炭素源、エネルギー源として生育する微生物の菌体を用いてL-セリンおよびその関連アミノ酸を効率よく生産するための基礎を確立することを目的とした。 L-セリン生産菌としてすでに見いだしているメタノール資化性細菌Hyplco-microbium methylovorum KM146のセリン生産性をさらに増加させるためにグリシン耐性変異株を取得した。その中の1株GM2は親株の1.4倍のセリン生産性を示した。このGM2株を用いてセリン生産の最適反応条件を検討した結果、L-セリン34mg/mlを生成した。親株とGM2株との酵素活性の比較の結果、L-セリン生産に直接関与するメタノールデヒドロゲナーゼ(MDH)とセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(SHMT)の両酵素活性がGM2株では1.5〜2倍高かった。次にH.methylovarum KM146の休止菌体を用いてエタノールとグリシンとからL-スレオニンが生成することを見いだしたのでL-スレオニン生成能の高いメタノール資化性細菌Pseudomonas sp. KM193を土壌より分離し、休止菌体反応を行った結果0.5mg/mlのL-スレオニンと1mg/mlのアロスレオニンが生成した。さらにH.methylovorum GM2のセリン生産性を改良するべく、MDHとSHMTを均一に精製して酵素化学的諸性質を究明した。いずれの酵素も広い基質特異性を有し、また安定性が高かった。MDHの至適温度、至適PHはそれぞれ35゜C、9であり、SHMTの至適温度、至適PHは37゜C、8であった。その他の諸性質を明らかにしてセリン生産への基礎的知見を得た。
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