研究課題/領域番号 |
60860020
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
楠田 理一 高知大, 農学部, 教授 (90036715)
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研究分担者 |
松原 明政 アース製薬株式会社, 技術部, 研究員
橋本 伸一 アース製薬株式会社, 技術部, 研究員
三原 茂 アース製薬株式会社, 技術部, 主任研究員
西村 昭 アース製薬株式会社, 技術部, 技術部長
川合 研児 高知大学, 農学部, 助教授 (60127925)
HASHIMOTO Shinichi Technical reserch development, Earth chemical company Ltd., Investigator
MATSUBARA Akimasa Technical reserch development, Earth chemical company Ltd., Investigator
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ブリ類結節症 / 浸漬法ワクチン / 免疫 / ワクチン / 魚類の免疫法 / 菌株の保存法 / Pasteurella piscicidaの保存法 / 海産魚のワクチン / ブリ / 感染防御因子 / ハマチの類結節症 |
研究概要 |
最初に有効性の高いワクチンを大量かつ簡便に作製するために、供試菌株の選択、保存法、培養条件および不活化方法について検討した。ワクチン製造株には強毒株を用いると高い有効性が得られるとされているので、ブリ稚魚に対する病原性試験を行って供試菌株を選択した。原因菌の病原性を維持するためにはMist desccarsを分散媒とした凍結乾燥法が最も良好であった。また、本菌の培養条件は培養温度が22.5〜30℃、培地pHが6.47〜7.24、塩分濃度が1.0〜2.0%の範囲内が最も良好であり、ワクチンの製造は供試菌株をこの条件で24時間振とう培養し、ホルマリンで不活化するのが良好と思われる。次に、原因菌の感染経路や感染因子について検討した。本菌の感染経路はブリの頭部および胴体部のみを攻撃してもそれぞれ斃死が認められ、さらに【^(14)C】標識菌体でブリを攻撃すると主に鰓高い放射活性が認められたことから、鰓および体表であると考えられる。また、強毒株ほど血清の抗菌作用に対する抵抗性が高いことから、本菌の感染因子のひとつとしてこの血清抵抗性が重要であると思われる。いっぽう、浸漬法ワクチン処理によってブリ血清中の抗体量の上昇が小さいために、従来の方法では測定が困難となることがあった。そこで、新たにELISAによる抗体量の測定法を検討したところ、より高感度に測定できることがわかった。また、浸漬法ワクチンにより上昇した体表粘液中の抗体は血清中のものと抗原的に類似していた。しかし、ホルマリン不活化菌体を用いた浸漬法単独では有効性は低かった。そこで、浸漬回数を増したり、経口法との併用投与、使用抗原の変更について検討した。その結果、ホルマリン不活化菌体を用いても浸漬回数を増したり、経口法との併用投与により有効性の上昇が認められた。また、抗原にLPSや菌体破壊物を用いることによっても浸漬法ワクチンの有効性を上昇させることが可能となり、実用化にいたるのではないかと考えられる。
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