研究課題/領域番号 |
60860021
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 勝巳 東大, 農学部, 助教授 (50011896)
|
研究分担者 |
本多 匡 大洋飼料株式会社, 水産事業所, 副所長
平野 敏行 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (60017043)
鴻巣 章二 東京大学, 農学部, 教授 (00011817)
渡辺 武 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017051)
中川 平介 広島大学, 生物生産学部, 教授 (00034471)
HONDA Tadashi Fishery Operation Station, Taiyo Feed Co., Ltd.
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1986年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
|
キーワード | 養殖魚 / マダイ / 飼料 / スピルリナ / 肉質 / 脂質 / 風味 / 藻類 |
研究概要 |
養殖魚は天然魚に比べ一般に運動量の不足に起因する体脂質の異常蓄積などにより、肉質が悪く、風味も劣る。そのため、魚の成長に影響を及ぼさず、しかも肉質の改善ができる飼料の開発が望まれている。本研究ではこのような肉質改善用飼料の開発を目的として、配合飼料に各種藻類を添加して飼育試験を行い、試験魚の肉質を分析するとともに官能検査により肉質改善効果を判定した。また、藻類添加実用飼料を試作しその性状を調べた。 まず、アユにクロレラエキス添加飼料を投与したところ、魚の成長には影響が認められず、一筋肉脂質の蓄積抑制効果が見られた。 次に、添加藻種として入手が容易な市販のスピルリナを選び、添加配合飼料の組成を十分把握する目的で、まずスピルリナの成分分析を行った後、スピルリナ添加飼料によるマダイの飼育試験を実施した。その結果、5および10%添加区では無添加区を上回る体重増加を示したのに対し、15%添加区では成長がやゝ劣り、適正添加量は10%以下であることが明らかになった。試験マダイの肉質については、魚体の大きさにより差はあるが、中性脂質の蓄積が抑制され、エキス中のグリシン、アラニン、トリタチルアミンなどが若干増加する傾向が認められた。また、食味テストにより、匂いや油っこさが明らかに改善されていることが分った。以上の諸結果を踏まえ、スピルリナ添加実用試料を試作したところ、造粒性や保存性には問題がなく、経済性の問題が解決すれば実用に供しうることが明らかとなった。 今後は、養殖技術が最近確立したシマアジや脂質の過剰蓄積が問題になり始めたギンザケにもスピルリナ添加配合飼料の投与を試みるとともに、スピルリナの有効成分の解明を行いたい。
|