研究課題/領域番号 |
60870005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久野 宗 京大, 医学部, 教授 (50142295)
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研究分担者 |
小島 比呂志 学術振興会奨励研究員京都大学, 医学部, 研究員 (50281671)
原田 嘉夫 京都大学, 医学部, 助手 (30181027)
八尾 寛 京都大学, 医学部, 助手 (00144353)
高橋 智幸 京都大学, 医学部, 講師 (40092415)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | ペプチド / 受容体 / mRNA / シナプス / アフリカツメガエル / タキカイニン / 伝達物質 / 卯母細胞 / イオン |
研究概要 |
ペプチド作動性のシナプスは中枢神経にも末梢神経にも存在するが、これらの神経細胞は小さいのでペプチド受容体の活性化に伴うイオン電流を詳細に解析することは困難である。本研究では、直径約1mmのアフリカツメガエルの卯母細胞にペプチド受容体を発現させ、その受容体のイオン機構を電圧固定法によって解析した。この目的の為に、ラットの脳あるいは牛の胃からmRNAを抽出し、これをアフリカツメガエルの卯母細胞に注入し、数日間培養した後、ペプチド投与に対する応答を記録した。この結果、5種類のペプチド受容体の発現に成功したが、その中からサブスタンスPの受容体に注目して研究を遂行した。ラットの脳から抽出したmRNAを注入した卯母細胞ではサブスタンスPのSP-P受容体の発現が見られ、牛の胃から得たmRNAを注入した卯母細胞ではサブスタンスPのSP-K受容体が発現した。アフリカツメガエルの卯母細胞と言う同一の発現系において、注入したmRNAの種類によって異ったサブスタンスPの受容体が発現したことは、これらの受容体が異なった分子によって形成されていることを示す。一方、この2種類の受容体の活性に伴うイオン機構を解析した結果、いずれの受容体においてもClイオンの透過性の上昇が見られた。この結果から、卯母細胞に発現した2種類のサブスタンスP受容体は、その活性において同一の細胞内セカンドメッセンジャーを媒介として細胞膜のClイオンの透過性を上昇すると結論される。さらに、2種類のサブスタンスP受容体の産生は組織特異性を有していると考えられているが、これは同一受容体分子が組織特異的に修飾を受けるのではなく、組織特異的なmRNAの産生によると推測される。卯母細胞に最も効率よく発現するmRNAの分画を見いだすことにより、サブスタンスP受容体に特異的なcDNAをクローンすることも可能と思われる。
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