研究課題/領域番号 |
60870020
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日沼 頼夫 京都大学, ウ研, 教授 (90005009)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1985年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | AIDSウイルス / 迅速血清診断法 / 凝集反応 |
研究概要 |
本研究は新しい凝集反応によるAIDSウイルス感染の迅速血清診断法の開発である。本年度は次のような研究成果を得た。 1.AIDSウイルス抗原の調製 MOLT-4株にAIDSウイルスを感染させ、この感染細胞の継代培養を繰返し、この感染培養系で多量にAIDSウイルスを産生することを確めた。この培養液から蔗糖濃度勾配遠心法で分離精製し、得られたウイルスをSDS及びNP-40で処理、可溶化し、これを感作抗原とした。 2.このウイルス抗原を富士粒子(ゲラチン粒子、富士レビオ社製)に感作して、これを凝集反応用抗原とした。 3.以上のAIDSウイルス抗原感作ゲラチン粒子によってヒト血清中AIDSウイルス抗体との反応性をしらべた。反応は室温3時間放置後、プラスチックトレイの孔の底に生成される凝集像で判定した。 その結果、米国AIDS患者血清47検体はすべて陽性であった。また対照として行った日本人健康人の血清300検体中5例が疑陽性を示した。更に日本人血友病患者85例はすべて陽性であった。IFも陽性。 以上の結果は、本凝集反応は、特異性が高く、しかも簡単迅速な血清反応として、今後AIDS抗体スクリーニングに十分応用可能と考えられる。ここに実用化の基礎は殆ど確立したと考える。
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