研究分担者 |
戸谷 重雄 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40051205)
藤城 正敏 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40173421)
高松 研 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (90154898)
高坂 新一 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (50112686)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
長池 一博 三菱化成総合研究所, 主任研究員
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
モノクローン抗体による診断法に関して, 1)脳実質障害による脳特異蛋白の脳脊髄液への流出をフルオロイムノアッセイ法で測定し障害程度との相関を検討した. 特異抗原としてGFAP,MBP,CNP,S-100に注目した. 特にCNPについては抗原の精製, モノクローン抗体の作製を行った. 測定法は2種類の一次抗体を用いたサンドイッチ法でEuropium標識2次抗体にて蛍光発色させる方法を用いた. 実験的脳損傷ラットを使った測定の結果, CNPに関してある程度の相関が得られた. 2)脳発育障害動物の組織化学的解析を行い, mldマウスで特有のパッチ状のミエリン形成像を, Twitcherマウスではミエリン低形成像と反応性アストロサイトの増殖像を認めた. 3)脳腫瘍の組織型及び悪性度と脳特異蛋白の染色性について検討したが, 有意な相関は得られなかった. 脳特異蛋白はむしろ腫瘍周囲の正常組織保持の程度の指標となった. 癌遺伝子産物による染色性の検討では, malignant astorocytomaの中にsre,EGF-Rの発現を認め, これらを発現しているものは悪性腫瘍であった. 遺伝子プローブによる診断に関しては, 1)遺伝性脳発育障害マウスの遺伝子解析を行った. ミエリン形成不全マウスのshivererではMBP遺伝子の欠損, mldではMBP遺伝子の重複, jimpyではPLP遺伝子の発現異常が原因であることを明らかとした. 2)脳腫瘍に関してはヒトmalignant astorocytoma中にEGF-R遺伝子の増幅を伴ったものを見いだした. 正常組織では遺伝子増幅はないことから腫瘍化との関連が注目される. また, ENUを用いて実験的脳腫瘍ラットを作製し検討したところ, erbB-2遺伝子の活性化がこのモデルラットではmalignant neurinoma,malignant astrocytomaと関連していることが示唆された. この場合も, erbB-2の活性化が認められたものは悪性腫瘍であった.
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