研究課題/領域番号 |
60870043
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水戸 廸郎 旭川医大, 医学部, 教授 (60000981)
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研究分担者 |
棟方 隆 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10166233)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40091566)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1986年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | Hybrid artificial liver / 遊離肝細胞 / 代謝補助装置 / 急性肝不全 / コラゲナーゼ / ガラクトサミン肝不全 / Hybrid Atificial liver / 肝細胞保存 / 解毒機能 / 血液浄化法 |
研究概要 |
肝臓の複雑多岐にわたる機能のうち、代射機能の補助を行わせるには、現時点では生体肝素材によらねばならない。本研究では、遊離肝細胞を代謝のリアクターとする代謝補助装置の開発を目的にしており、本年度は、初年度において試作された装置の基礎実験が行われ評価された。 1、遊離肝細胞の大量採取 代謝補助装置のリアクターとなる肝細胞は、初年度による方法で、コラゲナーゼ酵素灌流法を用い、主として成犬の肝臓より得られた。 2、試作代謝補助装置のin-vitro実験成績 遊離肝細胞を約40g、代謝槽中で浮遊培養を行ない、動物血液側としては代謝能を検討するために、ハンクス氏液にフルクトースやアンモニア負荷を行ない、10〜12時間の灌流実験を施行した。その結果、グルコース産生量3.9mg/gcell/h、アンモニア処理量215μg/gcell/h、尿素窒素産生能0.567mg/gcell/hで、肝細胞のviabilityは10時間後でも80%を維持し、細胞胞内ATP量も灌流中良好に維持された。 3、試作代謝補助装置のin-vivo実験成績 灌流方法の全体システムは、上記と同様あり、ガラクトサミン投与急性肝不全モデルを用い、代謝の補助、システムの安全性などを検討した。その結果、灌流中の動物の循環系への影響はなく、約10時間の実験が可能であり、血液生化学検査値も著名な変動を示さず、動物の生存時間は、無治療群に比し有意に延長した。浮遊培養液をラット腹腔内に投与したが異状はみられず、また、ガラクトサミン肝不全ラットへの投与では生存率の改善をみた。 以上、遊離肝細胞をリアクターとした装置の開発と、評価ならびに安全性を検討した結果、本システムの有用性が確認され、今後の臨床応用への可能性が示された。
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