研究課題/領域番号 |
60870049
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 和夫 長崎大学, 医学部, 教授 (50025540)
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研究分担者 |
古賀 博明 十善会病院, 部長 (90142356)
小野 博久 オレゴン大学, 医学部, 助教授 (70039569)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1987
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | CTスキャン / 脳血流量 / 脳酸素代謝 / サーモグラフィ / 画像処理 / 脳局所酸素代謝 |
研究概要 |
CTスキャンにより、脳組織局所酸素代謝量と血流量を同時に測定する方法の基礎となる原理は、酸素濃度が異なる脳組織においては、キセノンガスの拡散恒数が異なってくるので、その差異をCTスキャンで検出し、その拡散恒数の計算から逆に脳組織内微小コンパートメントの酸素濃度を血流コンパートメント酸素濃度との差として描出するものである。初年度にはin vitroでのキセノンガスの拡席恒数を多種ガス混合状態下に測定した、その結果、10〜15%のヘリウムガス混合下においてキセノンガスの拡散恒数は、2つの異なった拡散メディア内酸素濃度の差に関連して著しく異なることがわかり、CTスキャン法での測定が可能であるという結論に達した。この実験により得られたデーターを用いて動物実験用のCTスキャンプログラムを作製し、まずウサギの脳率中モデルで使用した。しかし、ウサギの脳が通常の臨床用CTスキャンで十分な分解能を得るにはあまりにも小さすぎることがわかり、次にブタの経眼窩中大脳動脈クリッピングによる脳卒中モデルを作製しCTスキャンで検討した。ブタは全麻下に35%キセノンガスを基礎とした種々の混合比のガスを8分間吸入させ、その前後および吸入中に合計15分間1分おきにスキャンをとり、動物用コンピュータープログラムによりキセノンガス拡散恒数、脳組織酸素濃度、および脳組織血流量の計算と同一微量組織上において行った。まず脳組織血流量の計算の基礎となるキセノンガスの脱飽和曲線のK指数は、ヘリウムガスを含んだ混合ガス吸入時と、コントロールのヘリウムガスを含まないガス吸入時を比べると前者で著しく低くなった。この所見はブタ脳卒中モデルの卒中側および正常脳側においてもみられたが、その低下の度合は脳卒中組織においてより少なかった。測定に使用するコンピュータープログラムは従来の単一のものを数個のプログラムに分割し、実地診療により有用とした。
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