研究分担者 |
滝 和郎 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (70144368)
中村 孝夫 北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (00142654)
林 紘三郎 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (90026196)
山形 専 京都大学, 医学部, 助手 (50182415)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
菊池 晴彦 国立循環器病センター病院, 脳外科, 部長
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研究概要 |
脳血管障害の治療に用いるダブルルーメンバルーンカテーテルシステムの開発を行ってきた. 順次, これを構成する要素の研究成果について記す. 1.ダブルルーメンバルーンカテーテル;ほぼ問題なく使用できるものを開発した. 2.バルーン内充填硬化性液体;グルコース+O2オキシターゼ〓グルコン酸+H2O2,H2O2Fe^<2+>〓HO.の反応を用いるラジカル重合開始剤系を開発した. この開始剤系を用いることで, 硬化時間の調節, 低粘土でX線造影能を有し, 長期貯蔵安定性かよく, さらに万一血管内でバルーンが破裂しても無害である等々の条件を満す優れたバルーン内充填硬化性液体を開発することができた. 3.血管内充填剤;従来用いられてきたシアノアクリレート系充填剤は, その毒性, バルーンと血管を接着させる. さらに1回だけしか注入できないとかなり危険性の高い充填剤であった. 今回これらの欠点のないエチレンビニルアルコール系(EVAL)系の血管内充填剤を開発した. その基本となる細成は, EVAL(エチレン含量30, 重合度1100),4%,メトリザミド30%,ジメチルスルホキシド66%の溶液である. 現在までに2例この充填剤の臨床応用を行った. 4.バルーンカテーテル切り放し用高周波電源;カテーテルのリード線の断線短絡のチェック機構, またリード線の一方が断線または短絡が起こった時でもバルーンを切り放せるように, モノボラー切断機構を導入し, さらに血管の障害をなくすため高周波出力を小さくした1号機を作った. さらに1号機の欠点を改良すべく現在2号機の試作に取りかかっている. 5.硬化性液体の定速注入時の注入圧測定装置の作成を行った. 現在全システムの開発を終り, 臨床応用に取りかかっている.
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