研究分担者 |
清水 慶一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手
白神 史雄 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50187530)
大島 浩一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (40176871)
松岡 徹 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10165780)
小山 鉄郎 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (50135993)
田中 利幸 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50171781)
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研究概要 |
網膜平均循環時間を測定するシステムを開発し, 臨床応用に成功した. 1. 網膜微小循環のテレビカメラを接続し, 蛍光眼底造映像をビデオテープレコーダーに記録することとした. 2. 網膜微小循環の定量的解析システムの開発: 再生したビデオ蛍光眼底造映像を画像処理解析装置に取り込み, 各網膜血管の経時的な濃淡度を測定した. 測定データを色素希釈曲線の理論式に回帰し, 各領域の網膜平均循環時間(MCT)を算出した. 3. システムの再現性: 正常眼10眼の全ての網膜領域を対象に, MCTの測定を2回行った結果, 上記のシステムに満足できる再現性を認めた. 4. 正常値: 正常眼50眼の網膜の4領域のMCTを測定した. その結果4つの領域間には, 平均循環時間の有意差はみられず, 50眼, 196領域全体のMCTは, 3.00±1.26(mean±SD)秒であった. 5. 網膜静脈分枝閉塞症における網膜平均循環時間: 発症2週間以内の発症想早期10例では, 閉塞領域のMCTは, 対照領域と比較して有意に延長していた. 陳旧性網膜静脈分枝閉塞症22例では逆に短縮していた. 6. 糖尿病性網膜症における網膜平均循環時間: 糖尿病性網膜症眼38眼でMCTを測定した. この結果, 単純型網膜症眼では正常眼に比べ循環時間が有意に短く, 増殖型網膜症眼では有意に長いことが判った. 更に, 前増殖型網膜症眼では増殖型網膜症眼よりも著名な循環時間の延長が認められた. 7.Buerger病における網膜循環時間: Buerger病の1例においてMCTを測定した結果, 側副血行路がみられるにもかかわらず遅延しており, 網膜の血流不全が示唆された.
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