研究課題/領域番号 |
60870075
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 東大, 薬学部, 教授 (10012600)
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研究分担者 |
滝川 哲夫 クラレ株式会社, 中央研究所, 研究員
佐々木 茂貴 東京大学, 薬学部, 助手 (10170672)
富岡 清 東京大学, 薬学部, 助教授 (50114575)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 不斉マイケル反応 / エナンチオ選択的不斉合成 / 不斉アルキル化 / 不斉ルイス酸 / 不斉塩基 / 不斉脱プロトン化反応 / 不斉合成子 / 不斉合成 / マイケル反応 / エナンチオ選択的反応 / 不斉脱プロトン化 / エナミン / α,α-ジ置換-β-ケトエステル / β,β-ジ置換カルボン酸 |
研究概要 |
1.キレート生成を経由する不斉アルキル化反応 キレート生成による反応中間体のコンホメーションの固定を用いた不斉アルキル化反応の展開を行なった。その結果、この手法が不斉マイケル反応に有効に応用できる事を見出した。すなわち、L-バリンエステルとβ-ケトエステルから得られるエナミンをリチオ化し、メチレンマロン酸ジエステルと反応させると、用いる溶媒や添加物によって、対応するマイケル付加体の両対掌体を高い光学純度で得た。本反応はエナンチオ選択的な反応にも応用できる。 2.光学活性ブチロラクトン,ブチロラクタムを用いる不斉アルキル化 光学活性γ-ヒドロキシメチル-γ-ブチロラクトンの両対掌体を、安価なL-グルタミン酸から大量に合成するルートを拓き、これらを用いて抗腫瘍性天然物であるメガフォン、スパトールのはじめての不斉全合成を完成した。本合成反応の結果から、対応するブチロラクタムの不斉試薬としての有用性を明らかにし、これを用いる不斉アルキル化による光学活性β-置換カルボン酸の新しい不斉合成法を開発した。 3.不斉ルイス酸、不斉塩基を用いるエナンチオ選択的不斉合成 光学活性アルコキシアルミニウムジクロリドをルイス酸触媒とするエナンチオ選択的ディールス・アルダー反応の一般性を見出した。また、光学活性リチウムアミド型強塩基を用い、対称面を有するプロキラルなカルボニル化合物(たとえば4-置換シクロヘキサノン)の不斉脱プロトン化反応によるエナンチオ選択的なエノールエーテルの不斉合成法を開発した。エノールエーテルはエノレートアニオン等価体であるから、この不斉反応は種々の光学活性化合物の不斉合成子として広く応用できることが期待される。本不斉反応の機構の推定も行なった。
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