研究課題/領域番号 |
60870081
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
稲山 誠一 慶応義塾大学, 医, 教授 (30051030)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1985年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 覚醒剤 / メタンフェタミン / 簡易迅速確認試験法 / イノムアッセイ / 赤血球凝集阻止 / RIA / マスフラグメントグラフィー |
研究概要 |
覚醒剤メタンフェタミン(MA)の簡便・迅速なイムノアッセイ法(IA)として赤血球凝集粗止反応法(HI)の感度及び特異性について、我々の開発したRIAと比較検討し、実用的な法科学的スクリーニング法としての評価を行った。まずハプテンの合成及び抗原の作製を行った。即ちN-(4-アミノブチル)-およびN-(カルボキシメチル)-メタンフェタミンのハプテンと牛血清アルブミンを混合酸無水物法により対応する各抗血清MA・BSAおよびCaMA・BSAを作製した。次にMA・BSA感作赤血球の作製はグルタルアルデヒドにより、就中、0.1mlの赤血球に、0.32mgのMA・BSAと0.1mlの2.5%グルタルアルデヒド溶液を用いた場合、最も良好な凝集阻止反応の結果を与えた。CaMA・BSAについては上記の方法及びタンニン酸法を試みたが、目的とする感作赤血球は得られなかった。また上記2種の抗原MA・BSA及びCaMA・BSAに対する抗体産生により各抗血清を得た。なおHIの抗血清は予めBSAで吸収し非働化したものを用いた。その100〜6400倍の希釈液の場合、50ng/ml以上のMA塩酸塩に対して明らかに赤血球凝集阻止反応を現し、その含有を確認できた。さらにHIによる感度及び特異性はRIAで得られた結果とよく一致する故HIの実用的応用は可能と考えている。また覚醒剤中毒死者の各臓器及び尿、毛髪についてGCによる予試験の結果、尿、毛髪、肺、胆汁、脳、脾臓、〓丸等に広く分布していた。目下、これら試験法による広範な薬物検査の結果と法科学的評価との関連を検討中である。又、覚醒剤服用者の尿、汗、唾液、毛髪や爪に着目し、二ケ所からの検体についてHI、RIA及びマスフラグメントグラフィ-(MF)法の比較を行った結果、定性的ではあるがHIはRIA、MFと正の相関があり、MAの超微量簡易試験法として充分実用可能との結論に達した。
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