配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
疫学的データは, 空間的に配置された各観測点における時間的に変化するデータの集積であり, 一つの疾患に注目しただけででもそれに関連する環境データを考えると膨大なデータ量となることが分かる. さらに, 各疾患は, 互いに関連しあっていることも多く, 各疾患を独立に解析するのは必ずしも適切ではない. このためさらに膨大なデータを同時に処理する必要がある. 従ってこれらのデータを目的意識を持って系統的に収集し整備する必要がある. このデータの収集と整備は本研究において最も重要なことであり, 我々はまずこのために多くの労力を注入した. その結果, 横浜市における喘息発作患者, 東京都における麻疹, 出痘, インフルエンザ様疾患等数十疾患の週毎のデータを数年間分収集しデータベースとした. また, 自然環境要因のデータとして大気汚染物質濃度データ, 交通量, 気象データなどの数年間にわたるデータを収集した. 収集されたデータは時系列解析に供した. 解析ソフトとしては相関分析, スペクトル分析, 予測分析, 多次元解析ソフトを用いた. この結果, 疾患受診者数の統計的性質が明らかにされるとともに, 疾患受診者数と環境因子との関連についても興味深い知見を得た. 疫学的データは必ずしも定常過程でなく, 時系列データ解析理論としても必ずしも取扱が簡単でない. このため, 新しい解析理論を開発する必要がある. そこで新しい理論の開発に力を入れた. 新しい解析理論を開発する必要がある. そこで新しい理論の開発に力を注いだ. まず非定常過程の自由度に関する新しい概念を導入した. そしてこの自由度はエントロピーの概念とも深く結びついていることを示した. 更にこの概念から非定常スペクトルの広がりを評価するための時変等価帯域幅を導出した. この等価帯域幅は時々刻々変化するスペクトルの特徴を評価する上で重要なものである.
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