研究課題/領域番号 |
60870093
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀 了平 京大, 医学部, 教授 (40001036)
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研究分担者 |
谷川原 祐介 京都大学, 医学部, 助手 (30179832)
岩川 精吾 京都大学, 医学部, 助手 (50168548)
安原 眞人 京都大学, 医学部, 助手 (00127151)
神谷 晃 京都大学, 医学部, 助手 (90124792)
奥村 勝彦 京都大学, 医学部, 助教授 (60025707)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 薬物体内動態 / 薬物治療モニタリング / 投与設計 / バルプロ酸 / カルバマゼピン / フェニトイン / ジゴキシン / テオフィリン / PHARMACOKINETICS / POPULATION / ベイズ理論 / THERAPEUTIC DRUG MONITORING / THEOPHYLLINE / VALPROIC ACID |
研究概要 |
近年益々盛んになる血中薬物濃度モニタリングの臨床的意義をさらに高めることを目的として、日本人における薬物動態パラメータの母数推定と個別投与設計システムの開発を行い、以下に示す結果を得た。 1)日本人における薬物動態パラメータの母数推定:population pharmacokineticsすなわち、薬物投与を受けた患者集団を対象として測定誤差・個体差を考慮しつつ薬物動態パラメータを推定する手法により、バルプロ酸、カルバマゼピン、フェニトイン、ジゴキシン、テオフィリンの母集団パラメータを推定した。またそれに伴い拡張最小二乗法を利用した解析プログラムを開発した。本研究による検討の結果、臨床で治療を目的として得られるモニタリング・データでも、母集団の数を増やし上述の解析法を応用するならば、十分信頼しうる薬物動態値が得られることが明らかとなった。さらに、併用薬物、合併疾患、腎・肝等の生理機能、年齢などの及ぼす影響を定量的に評価するることも可能であった。これらは、次項の個別投与設計システムを確立する上で重要なパラメータであり、個人の薬物動態値を推定する際の精度に大きく影響する。そこで本研究では、全国45の医療施設の協力を仰ぎ、全国的にデータを収集することにより日本人の薬物動態標準値としてふさわしい母数の推定を行った。 2)個別投与設計システムの開発:ベイズ理論を応用した最小二乗法により、1点の血中濃度測定からでも患者の薬物動態パラメータを推定できることが明らかとなった。この個別投与設計システムは従来不可能であると考えられてきた、1点データからの薬物動態パラメータの推定、さらにそれに基づく血中濃度推移のシミュレーションおよび投与設計を可能とし、今後臨床に普及させることにより血中濃度モニタリングの意義はさらに高まると期待される。
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