研究課題/領域番号 |
60870099
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三浦 洋四郎 帝京大, 医学部, 助教授 (40082135)
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研究分担者 |
長井 辰男 帝京医学技術専門学校, 臨床検査学科, 学科長 (30082225)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 覚醒剤 / 覚醒剤の薬物指紋 / methamphetamineの光学異性体 / methamphetamine / amphetamine / ヒロポン / methamphetamineヒロポンのdl分割 / ヒロポンの生体内動態 |
研究概要 |
わが国では覚醒剤取締法によりその使用や所持が禁止されているが、現在でも不法な密輸があとを絶たない。現在の覚醒剤の事犯は、粉末または粒状の形で密輸されているのがほとんどである。われわれは、覚醒剤の密輸・密売ルートの科学的解明を企図した。 1.覚醒剤の光学異性体に着目し、獨協医科大学法医学教室の長井敏明と共同でHPLC分析条件を検討した。acethyl化した被検試料を内部標準物質N-n-Propylanilineとともにセルロース誘導体カラム(40℃に加温)にチャージした。溶媒系はHexane/Isopropanol(19.1)を用いた。これによって、methamphetamineのd体とl体を再現性よく分離出来た。 2.韓国ルートの密輸覚醒剤はmethamphetamineの塩酸塩で、融点170〜175℃,光学純度は100%のd-methamphetamineであるが、黄色結晶が混入していた点で薬物移動の追跡指標として利用出来る。われわれが厚生大臣の許可を得,合成し分割したmethamphetamineはl体を除く目的で精製をくり返すごとにd/l比は未精製のもの1.08から3回精製したものは、 d-methamphetamineの標準品に近ずいた。その融点は133℃であった。このd/l比および夾雑物は当該覚醒剤の薬物指紋として犯罪捜査時に個人識別のため使用する指紋と同様の利用価値がある。この薬物指紋を集績することによって、覚醒剤の密輸・密売ルートの科学的解明に利用することが出来る。 3.methamphetamineの生体内動態を実験動物を用いて研究した。その結果、d体がl体より強い薬理作用を示し、骨・歯牙・毛髪などの硬組織から当該薬物を検出出来ること及びWaterhouse-Friderichsen Syndromeを誘発することが可能であることを初めて明らかにした。methamphetamine中毒患者および中毒動物の尿は、薬物依存の有無を確認出来るが、当該研究のような密輸・密売ルートの解析には不適である。
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