研究分担者 |
三輪 辰郎 筑波大学, 教育学系, 教授 (70030278)
飛田 武幸 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022508)
竹之内 脩 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029375)
一松 信 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027378)
藤田 宏 東京大学, 理学部, 教授 (80011427)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
我々数学教育研究グループは, 昭和53年頃から, 高等学校の生徒の数学における到達度, 適性の多様化に対処するためのカリキュラム作成を痛感し, その研究を行って来た. 特に昭和57年度から59年度までの3か年に亘る総合研究Aにおいて, Core and Option Moduleの概念に基づくカリキュラム設計を行った. これは国民の生涯教育において数学的な基礎となるべきCoreと, 多様化に応じるOptionに分かれ, これらをより有効に実施するために, 特にマイコンを活用するという新しいカリキュラム案である. このコンピュータ活用の部分を引きついだのが本研究である. 特に数学嫌いや数学的思考をしない生徒の増加は, このまま放置すれば将来の我国の科学研究, 情報研究に大きな禍根を残すことになりかねない. この研究は, いわゆるMajorityに対する数学教育にマイコンを利用する試みである. しかし, 現今言われているCAIではない. 生徒が黒板・ノート等の代りにマイコンを使って, 数学教材の動機づけ, 導入を自ら察知し, 数学の知識を定着するよりも数学的探求の心を養成することをねらっている. こうなると, 当然従来のカリキュラム, 教科書では不適切となり, このような立場に立ったカリキュラム, 教科書, 支援ソフトウエア作り等が必要となる. 今回の研究では, 新数学Iの教科書と, それを支援するソフトウエアを作成した. プログラム言語はMS-DOS上のC言語を用い, コンピュータは当研究費購入によるNEC, PC-9801VXであり, 完成したプログラムを記録したフロッピーディスクは4枚から構成されている. この研究は, 昭和69年度からの高等学校数学カリキュラムにおけるコンピュータ活用の設計に大きな影響を与えている. したがって69年施行以前にさらに発展的研究をすることが我国の21世紀における数学教育・情報教育にとって極めて重要であると考える.
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