研究課題/領域番号 |
60890001
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 伍良 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (20001670)
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研究分担者 |
長谷川 功 北海道大学, 医学部, 助手 (60164810)
増田 武志 北海道大学, 医学部, 助教授 (20109424)
松野 誠夫 北海道大学, 医学部, 教授 (40000921)
清水 孝一 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (30125322)
栗城 眞也 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30002108)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1985年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 骨関節疾患 / 早期診断 / X線画像 / 画像処理 / 生体電位 / 診断システム |
研究概要 |
早期診断システム診断の中心となる骨X線画像の処理方法と電位測定による関節軟骨変性度の定量的評価法の開発を行い、臨床応用に役立つソフトウェアシステムの試作を行った。前者に関しては、以下の成果が挙げられる。1.生体内の大腿骨を撮影した臨床X線像を対象に骨梁パターンと呼ばれる線状パターンに着目し、1次元・2次元のスペクトル解析手法を用いてその線密度の推定を行う方法を関発した。すなわち、(1)1次元のスペクトル解析法では最大エントロピー法を採用し、少ないデータからでも線密度推定を行えるようにした。(2)2次元の場合は、FFT法を用いて線密度に加え骨梁パターンの方向を自動的に推定する手法を開発した。2.臨床X線像から骨梁パターンの濃度情報と方向性の情報に基づき骨梁部分を抽出し、その面積を測定する骨面積計測法を開発した。3.整形外科専門医の診断結果との比較を行い、骨粗鬆症の進行度と以上の骨梁パターンの線密度推定法および骨面積計測法の結果との間に強い相関があることを確認した。後者に関しては、変形性関節症の早期診断の指標として、軟骨の持つ静電位に着目し、以下の測定法の開発と装置の試作を行った。すなわち、4.膝蓋骨より摘出した関節軟骨に対し生体内と同じ状態(リンゲル液平衡)で計測した。その結果(1)セラミックス電極を種々改良し、関節軟骨の表層から深層まで再現性良く電位分布を計測できるようにした。 (2)測定された電位は負で、平衡液のイオン濃度に対し、理論計算結果と同一変化を示した。5.軟骨層内での電位分布は、プロテオグリカン量と良く相関しており、染色法による組織像の変化とも一到していた。以上、大腿骨の臨床X線像を対象とした画像処理法にもとづく定量的評価法の開発とその有効性の確認、ならびに軟骨の持つ静電位に着目した変性度の定量的評価法をあわせ、システム化の基礎を確立し得た。
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