研究概要 |
基礎医学, 薬学, 生物学, 畜産学, 水産学では, 多種類の実験, 有用養殖動物, 魚類, 野性動物を対象として, 実験観察が行なわれている. これらの動物のホルモンに対して内分泌研究者の利用に供する目的で抗体を作成した. ポリクローン抗体の作製については, 微量のホルモンで高い抗体価が得られるウサギ後肢リンパ節内投与法を免疫補助剤の併用により改善した方法を確立した. また, ホルモンに対する単クローン抗体の作製の検討も行なった. 作製した抗体は, [ポリクローン第一抗体(ウサギ)]:抗ラットPRL, 抗ヒツジPRL, 抗ラットGH, 抗ラットTSH, 抗ラットLH, 抗ヒツジLHβ, 抗ヒツジTSHβ, 抗ヒツジLH, TSHα, 抗ニワトリLH, 抗ウシガエルLH, 抗ウシガエルFSH, 抗hCG, 抗hCGβ, 抗脱糖hCG, 抗ブタモチリン, 抗アンジオテンシンII, 抗レニン基質, 抗メラトニン, 抗テストステロン, 抗エストラヂオール, 抗コルチゾール, 抗コルチコステロン, 抗アンドロステンジオン, 抗17αプロゲステロン, 抗プロゲステロン, 抗CAMP抗血清, 抗ラットアルブミン. [ポリクローン第二抗体(ヤギ)]:抗ウサギIgG, 抗モルモットIgG, 抗サルIgG, 抗マウスIgG. [単クローン抗体(マウス)]:抗哺乳類LHRH(3-5を認識する抗体), 抗ウシガエルゴナドトロピンα, 抗ウシガエルLH, 抗ウシガエルFSHβ, 抗ヒツジFSH, 抗ヒツジLH, 抗ラットPRL, 抗西洋ワサビペルオキシダーゼ. 抗体は, 抗体価, RIA, 免疫組織化学に於ける特異性を吟味し, 試験供与を昭和62年度から開始し, 大きな反響を得, 研究者79名に184件の抗体を供与した. 亦, 下垂体ホルモンの定量的抽出法について1M尿素による破砕, 凍結融解が効果的であることを見出した. 将来抗体作製の際に問題となるホルモンの多様性について, 特に等電点の異なる分子種の性質を検討した.
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