研究分担者 |
福井 了太 日本真空技術株式会社, 技術開発部, 研究員
高木 憲一 日本真空技術株式会社, 技術開発部, 研究員
砂子 克彦 東海大学, 理学部物理学科, 助教授 (50056016)
矢部 栄二 東海大学, 開発技術研究所, 助教授 (70056018)
磯矢 彰 東海大学, 開発技術研究所, 教授 (80037134)
岡本 耕輔 日本真空KK技術開発部, 技士長
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研究概要 |
現在, マイクロエレクトロニクスの中心を占める超LSIはミクロン, 単位の微細加工を必要とするため, いくつかの新しいデバイス制作法が開発, 導入されている. なかでも, イオン注入法は超LSIの製造過程の基盤として最も重要なものである. このイオン注入装置には, 従来Freemanイオン源が用いられている. しかし, 半導体デバイス製造能率の向上を図るために, 注入イオン量の増加およびイオン源の長寿命化が要求されている. 一般に, 大電流イオン源は, 金属の熱陰極を用い, 低ガス圧力, 大きい放電電流で運転されているので, 熱陰極の寿命が短く, 結果としてイオン源の寿命は熱陰極で制限される. すなわち, Freemanイオン源のように, プラズマ発生室内に熱陰極が存在するイオン源は, 熱陰極にイオンが衝突するために, 熱陰極がスパッタリングによって短時間に削り取られ, それによって寿命が決ってしまう. そこで, プラズマ生成室内に熱陰極がないイオン源が注目されてきた. マイクロ波イオン源は, この条件を満たしているが, 1)生成イオン電流密度が増加できない, 2)放電電極の汚れによる絶縁破壊およびその洗浄に時間がかかる, という問題点がある. 本研究では, 現在稼働中のイオン注入装置のイオン源部のみを取り替え可能で, かつ長寿命のイオン源を開発するために, Freemanイオン源の金属の熱陰極の代わりに, プラズマを用いるプラズマ・フィラメントイオン源の開発を行った. プラズマ・フィラメントイオン源は, Freemanイオン源と比較した場合, 消耗部分がなく長寿命化が可能であり, またFreemanイオン源では実現が難しい酸素等の活性ガスでもイオン生成が可能であり, 現在稼働中のイオン注入装置のイオン源部のみの改良により, イオン注入装置にそのまま取り付けが可能であるという利点を持っている. また大型にすれば大電流イオン源としての開発が可能である.
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