研究課題/領域番号 |
61010003
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
塚田 裕 北海道大学, 医学部, 助教授 (50001889)
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研究分担者 |
小路 敏彦 長崎大学, 保健管理センター, 教授 (20039811)
漆崎 一朗 札幌医科大学, 教授 (20045298)
西 信三 北海道大学, 医学部, 教授 (20001894)
森 道夫 札幌医科大学, 教授 (00045288)
平井 秀松 北海道大学, 名誉教授 (30000889)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
1986年度: 20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
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キーワード | 腫瘍マーカー / モノクローナル抗体 / 標的療法 / 免疫化学療法 / 癌胎児性蛋白質 / 糖鎖抗原 / 肝細胞癌 / 大腸癌 |
研究概要 |
1.腫瘍マーカーに対するモノクローナル抗体と制癌剤との複合体による標的療法-腫瘍マーカーとしてα-フェトプロテイン(AFP),癌胎児性抗原(CEA),トランスフェリン(T)が用いられ制癌剤としてはアドリアマイシン(Adr)ダウノマイシン(Dau)マイトマイシンC(MMC)ネオカルシノスタチン(NCS)をデキストラン(Dex)ポリLグルタミン酸(PLGA)血清アルブミン(Alb)を中間支持体として複合体をつくり標的腫瘍に対する制癌効果をラットおよびヒトの腫瘍で検討された。種々の対照群に比べ複合体が顕著な抗癌効果を示した。その作用機序を調べたところ複合体は腫瘍細胞へエンドサイトーシスによりそのまま取り込まれた後リソゾームで酵素または低PHにより結合が切られた後活性型遊離制癌剤が核に作用することが確認された。 2.腫瘍マーカーによる癌の診断-CEAおよびγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γGTP)に対するモノクローナル抗体により腫瘍の示す表現型の多様性が浮彫にされた。肺癌関連抗原に対するモノクローナル抗体が検討され96Kdの糖蛋白質を認識していることが示された。AFPのレンズ豆レクチン(LCH)結合性亜種の割合を肝細胞癌と肝硬変症例で比較したところ肝硬変合併症肝細胞癌36例ではLCH結合性亜種31.1±23.6%,肝硬変23例では7.0±7.8%で前者が有意の高値を示した。肝硬変より肝癌を併発した11例で肝細胞癌と診断される3年前の追跡例で7例中全例共に1年前では11例中10例にAFPのLCH結合性亜種が認められ経時的に増加する傾向が認められた。このようにAFPのLCH結合性亜種の測定は肝細胞癌併発の早期発見に有用と思われた。ras遺伝子産物P21に対するモノクローナル抗体によるヒト大腸癌におけるP21の発現が検討された。反応陽性細胞率は大腸癌組織では30%をcut off値とすると72%前癌病変とされる腺腫性ポリープでは58.3%でいずれも正常大腸よりも有意に高率であった。腺癌に関連するモノクローナル抗体と共に更に検討を続行中である。
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