研究課題/領域番号 |
61010012
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島崎 淳 千葉大, 医学部, 教授 (10008229)
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研究分担者 |
大野 良之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10160590)
矢谷 隆一 三重大学, 医学部, 教授 (80024636)
古武 敏彦 大阪成人病センター, 部長
吉田 修 京都大学, 医学部, 教授 (70025584)
熊本 悦明 札幌医科大学, 教授 (40045323)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
1986年度: 18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
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キーワード | 前立腺癌 / アンドロゲン依存癌 / アンドロゲン受容体 / アンドロゲンレセプター / R1881 / 内分泌療法 / シオノギ癌115 / 発育因子 |
研究概要 |
前立腺癌100名を年令および病院を適合させた前立腺肥大症および非前立腺疾患と比較した結果、前立腺癌にはβカロチン摂取量不足が約2倍のリスクであった。これを脂肪摂取量により補正しても同じであった。βカロチン不足は緑黄色野菜に由来するものであり、ビタミンA効力として他の食品のものには差がなかった。 日本人前立腺癌の組織をWHO分類により高中低の分化度に分類し、日本人より高頻度であるハワイ日系人やアメリカ白人、および日本人より低頻度である韓国人の分化度と比較した。約700の日本人分化度は、高中低がそれぞれ16,49,34%であったが、日系人および白人は高分化癌が多く、反対に韓国人では低分化癌の増加があった。同時期の千葉と大阪との比較では、大阪のほうが白人に近いが、年度別にみると千葉が大阪の比率に近づいていた。日本人前立腺癌は年令の増加につれて高および中分化癌が増加するが、日系人や白人はこの逆であった。これより頻度の増加は高および中分化癌の増加と関係がありと推測した。 R1881はアンドロゲン受容体と高親和性結合するので、これに蛍光をつけて組織化学的に観察した。R1881と結合する蛋白は受容体と、プロゲスチン結合蛋白である。前立腺癌の60%以上が本蛋白を有しており、この存在は内分泌療法に対する反応性や予後とよく相関した。実際に内分泌療法による6ケ月後の制癌率は約70%であった。 アンドロゲン依存癌の性状を検討するため、シオノギ癌115を用いて依存性を観察した。アンドロゲンに非依存性のものは受容体があってもアンドロゲン投与後のオルニチン脱炭酸酵素の依存癌にみられる上昇がなかった。また培養細胞では、アンドロゲン投与後に受容体を介し合成される発育因子の関与が観察された。
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