研究課題/領域番号 |
61010021
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 泰次郎 東大, 医科学研究所, 教授 (10012759)
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研究分担者 |
山添 康 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (00112699)
及川 淳 東北大学, 抗酸菌病研究所・薬理学教室, 教授 (40076980)
大村 浩久 九州大学, 農学部, 教授 (40038154)
富田 勲 静岡薬科大学, 衛生化学教室, 教授 (10046253)
佐藤 茂秋 国立がんセンター研究所, 生化学部, 部長 (00076994)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1986年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | 変異原物質 / 癌原物質 / ヘテロサイクリックアミン / ジカルボニル化合物 / アミノアルボニル反応 |
研究概要 |
1.クレアチニンとアミノ酸と糖類を125℃で加熱するモデル実験系でアミノ酸を変えてもMeIQxと48-DiMeIQxが非常に生成し易いことを明らかにした。新しい変異原物質の分離同定をアミノ酸をかえて実施している。糖類を加熱したときに生じる酸素ラジカル発生物質としてメチルレダクチン酸とヒドロキシメチルレダクチン酸を同定した。これの分離定量法を確立して加熱食品中の存在量を分析した。2.加熱食品より分離された強力な変異原物質MeIQをマウスに投与したところ肝臓と前胃にがんを発生した。前胃に偏平上皮がんを発生したマウスの約50%が肝臓に転移していた。動物発がん実験で高率に転移が認められたことは珍しいことである。ラットについての発がん実験は進行中である。加熱食品変異原物質の活性化に働くアセチル転移酵素をハムスターから分離精製した。この酵素の性質を調べている。3.糖類の加熱で生じる変異原物質であるジカルボニル化合物は【H_2】【O_2】の共存下で変異原性が増大する。ジカルボニル化合物が【H_2】【O_2】によって分離されて、アシルラジカルまたはアシルカチオンを生成することを明らかにした。これ等による新しい核酸塩基のアシル化修飾について調べている。4.糖類とアミノ酸とのアミノカルボニル反応で生成するフラン類,ピロール類,レダクトン類15種類すべてがSOS誘導能を示した。D-(+)-カテキンが最も強い活性を示した。魚類を加熱したときに生じる変異原性は予め魚を天日乾燥することにより増大した。油脂の過酸化反応に由来するアルデヒド類によると考えられる。アジの干物について変異原性のある4-ヒドロキシ-zt-1ネナールとメチルグリオキザールを分離同定した。5.加熱食品中の変異原性ヘテロサイクリックアミン類を定量する簡便法をブルーコットンによる部分精製と高速液体クロマトグラフィーの組合せで確立し、加熱食品とタバコタールについて分析を行った。
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