研究課題/領域番号 |
61010024
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 宣生 東大, 医科学研究所, 教授 (90012723)
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研究分担者 |
広澤 一成 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30009980)
白木 和子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40012744)
伊庭 英夫 東京大学, 理学部, 助教授 (60111449)
佐藤 周子 愛知県がんセンター, 研究所・放射線部, 部長 (30073125)
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,900千円 (直接経費: 25,900千円)
1986年度: 25,900千円 (直接経費: 25,900千円)
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キーワード | がん遺伝子 / 細胞核 / DNA複製 / 転写調節 / がんウイルス / 細胞周期 / 細胞骨格 / 発生 |
研究概要 |
当研究班は、核内に局在するがん遺伝子産物の機能およびその機能の標的となる遺伝子を明らかにすることにより、がん化に働く核内での連鎖反応を部分的にでも明らかにすることを目的としている。今年度は3年計画の初年度として、個々のがん遺伝子の細胞増殖に働く機能解析、および機能不明のがん遺伝子につきその機能の手掛りをつかむべく、その発現調節および産物の性状解析などが行われた。SV40大型T抗原については、その核内局在が細胞のトランスフォーメーションに必須であること、ラット細胞においてT抗原機能によりC-H-ras遺伝子の活性化が生じることが明らかにされさらにCDNAライブラリーからT抗原機能により活性化する遺伝子の検索が行われている。ポリオーマウイルス小型T抗原については、それが細胞がん化に関与していることを明確にした。アデノウイルスE1A遺伝子にはそのmRNAが二種あり、その各々について転写および細胞増殖に関与する機能が解析された。mycタンパクについては、その一部分を大腸菌内で生産し、それを用いて単クローン抗体を得た。p53およびSV40大型T抗原が核骨格に結合して点状に存在し、その場所に高分子微小管結合タンパクおよびU1RNAが局在すること、およびこの微小管結合タンパクの動態が正常細胞とがん細胞で異ることが明らかにされた。またc-mycの活性化とp53の安定化が連動していることが示された。fosについては、その細胞増殖誘導活性がmycと明確に異ること、ニワトリとマウスのv-fosの構造解析により機能に重要な遺伝子領域が示された。またc-fos発現へのcキナーゼおよびトポイソメラーゼの関与が示唆された。その他ウニおよびXenopus胚発生過程あるいは細胞周期に重要な役割を果す遺伝子の解析が進められている。今後以上の方向での研究を発展させることにより各がん遺伝子間の機能連鎖を解明する。
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