研究課題/領域番号 |
61010045
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 幸彦 阪大, 医学部, 教授 (70028520)
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研究分担者 |
森 和博 京都大学, 医学部, 講師 (90025635)
山田 道之 大阪大学, 蛋白研究所, 助教授 (10076995)
須田 年生 自治医科大学, 講師 (60118453)
田ノ岡 宏 国立がんセンター, 研究所, 部長 (90076969)
高久 史麿 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1986年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | 血液幹細胞 / 増殖因子 / 突然変異マウス / 細胞培養 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 癌遺伝子 |
研究概要 |
北村は正常の血液幹細胞の増殖限界をinvivoで明らかにする実験系を組みたてた。200radのX線を照射したW/【W^v】マウスにフォスフォグリセレートカイネース(PGK)のA型とB型の細胞がモザイクになったPgK-【1^a】/PgK-【1^b】マウスの骨髄細胞を【10^3】から3X【10^3】個移植すると、150匹のうち7匹のW/【W^v】マウスで赤血球のヘモグロビン型がdonor由来となった。この7例の全例でPGKはA型かB型のみを示し、1個の血液幹細胞が10週以上にわたりマウス1匹の全赤血球の生産をまかないうることがわかった。別所はやはりPgK-【1^a】/PgK-【1^b】マウスを用いて夛分化能幹細胞の段階で腫瘍化がおこったと思われる白血病の存在を示した。田ノ岡もPgK-【1^a】/PgK-【1^b】マウスを用い、癌が夛発した場合も、まず1つのクローンが転移能を獲得することを示した。高久は前白血病状態と考えられているMDSから白血病への進展の過程を癌遺伝子の活性化という観点から追跡した。MDS18例のうち10例の骨髄細胞より抽出したDNAにトランスフォーミング活性が検出された。特に活性化N-ras遺伝子を検出した3例については13番目のアミノ酸マドンの同一の点突然変異が存在した。活性化N-ras遺伝子を持ったMDSが白血病へと進展する際には、活性化N-ras遺伝子を持つ細胞の割合が増加したから、この進展の過程にN-ras遺伝子が関与する可能性がある。須田はコロニー培養法、特にマイクロマニピュレーターで釣り上げた1個の細胞にコロニーをつくらす方法を用いてIL-3、GM-CSF、G-CSFの作用機構を詳細にしらべ、IL-3とGM-CSFの標的細胞は分化段階が異っていることを示した。またIL-3の存在下で芽球コロニーを形成する細胞はB細胞、NK細胞にも分化しうることを示唆する結果を得た。山田は好中球の分化のマーカーになるミエロペルオチンダーゼのcDNAをクローニングし、森は新らしいマウスの赤白血病細胞株を樹立した。
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