研究課題/領域番号 |
61010079
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
藤井 義明 癌研究会, その他, 研究員 (00098146)
|
研究分担者 |
黒沢 良和 藤田学園保健衛生大学, 医学部総医研・免疫, 教授 (10109259)
酒井 正春 東京大学, 医学部生化学第一, 助手 (50162269)
喜多村 直実 京都大学, 医学部・免疫研究施設・アレルギー部門, 助教授 (80107424)
西村 暹 国立がんセンター研究所, 生物部, 部長 (20076970)
遠藤 英也 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40037320)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1986年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
|
キーワード | 遺伝子発現 / 発現調節 / エンハンサー / サイレンサー / 癌遺伝子 / cDNAクローニング / 異常発現 / DNase高感受性 / 選択的スプライシング / 癌細胞特異性 / 遺伝子転座 |
研究概要 |
本研究班は所調発癌遺伝子そのものを直接に研究するのではなく、発癌物質の代謝活性化に関与する遺伝子や癌化に伴なって発現の著しく変化する遺伝子の発現制御機構を明らかにして、癌細胞の遺伝子発現制御の異常の本質を明らかにすることを目的に編成されたものである。今年度の実績は次の通りである。1)発癌マーカーとして注目されている胎盤グルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子はその構造の決定及び遺伝子発現にエンハンサー及びサイレンサーとして働く部位が各々2.5Kb及び0.4Kb上流に存在することを明らかにした。2)アルドラーゼB遺伝子については、遺伝子発現と平行してMr35kDの蛋白質が遺伝子上流0.15Kbに結合することを明らかにし、この結合部位がステロイドホルモン受容体の結合位GREとホモロジーを持つことがわかった。さらに0.3Kb上流がDNaseに高感受性になる。3)P-450c遺伝子については薬物誘導に必須な構造XREを明らかにし、この構造が遺伝子上流に複数存在していること、GREとホモロジーがあることを明らかにした。4)顆粒球コロニー刺激因子についてはヒト及びマウスの遺伝子についてその構造を決定し、ヒトにおいて2種類存在するG-CFSは選択的スプライシングによることを証明した。5)発癌剤や発癌プロモーターによって発現するP32蛋白質のcDNAクローニングを行い、部分的構造解析の結果C末端に【Ca^(2+)】結合部位を持つ蛋白であることを明らかにした。6)キニノーゲン遺伝子において選択的スプライシングの効率を決定する遺伝子領域を決めた。7)AH60cラット腹水肝癌ではLTR様構造及びInsulin-like growth factor,glyceraldehyde 3-phophate dehydrogenaseが特異的に発現していることがわかった。8)ヒト急性白血病細胞においてT細胞受容体のΒ鎖のCβ1遺伝子が染色体6番に転座していることを示した。9)癌細胞で特異的に減少しているtRNA-guanine transglycosylase遺伝子分離のために部分一次構造を決定した。
|