研究課題/領域番号 |
61010081
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
稲葉 実 癌研究会, その他, 研究員 (60085636)
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研究分担者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部・薬品分析化学教室, 教授 (00009177)
杉山 雄一 東京大学, 薬学部・製剤学教室, 助手 (80090471)
久保田 哲朗 慶応義塾大学, 医学部・外科学教室, 助手 (00118944)
小林 知雄 三共株式会社, 生物研究所・研究第六室, 副主任研究員 (70085645)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1986年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 抗癌剤 / マウス / ヒト / ファーマコキネテックス / 薬剤感受性 / スクリーニングシステム |
研究概要 |
これまでの研究により、抗癌活性を有する新物質についてその臨床効果の有無を予測するためには、抗癌効果の成績のみならずファーマコキネテックスについてのデータの必要性が強く認識された。ヌードマウスを用いた実験などでたとえ人癌に対する優れた効果が認められたとしても、そのときの「腫瘍がさらされる薬剤濃度」がヒトでは到達し得ないものであれば、臨床効果は期待できないからである。そこで今年度は次の3点について研究した。 1。抗癌剤の殺細胞作用の速度論的解析 薬剤の血中濃度は時間とともに変動するものであり、マウスやヒトの間での定量的比較が困難である。そこで抗癌剤の殺細胞作用について、その濃度や作用時間について定量的表現が可能か否か検討した。下山らが実験的に得た濃度-作用関係について、速度論的モデル解析、それに基く実験的研究を行なうことにより、細胞周期上のphaseに特異的な代謝培抗剤などを除く多くの薬剤の殺細胞効果は、濃度×時間の積(血中濃度でいえばAUC)に依存することを明らかにした。 2。ヒトにおける血中濃度の予測 各種動物における血中濃度推移より得られる全身クリアランスや分布容積を用いて、いわゆるanimal scale-upの方法により、ヒトでの全身クリアランスと分布容積の予測ができる。そこでACNUについては実験的に、また10種の抗癌剤については文献検索によりファーマコキネテックスのデータを得て、上記した2つの重要なパラメータを予測したところ、実測値にかなり近い予測が多くの抗癌剤でできることが分った。予測が離れた薬剤についてはその原因究明が不可欠である。 3。肝薬物代謝の種差 種による肝薬物代謝の質的量的違いが予測を不正確にする最大要因といわれており、肝薬物代謝の種差に関する研究をアドリアマイシンについて行なった。肝ミクロゾームによる糖鎖切断酵素活性はヒトがマウスより高値を示した。
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