研究課題/領域番号 |
61010089
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
三輪 正直 国立がんセ, その他, その他 (20012750)
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研究分担者 |
下山 隆俊 癌研, 実験病理, 部長 (30085633)
上田 国寛 京都大, 医学部, 助教授 (00027070)
下山 誠 島根医大, 生化学, 教授 (30084859)
静田 裕 高知医大, 医化学, 教授 (50025631)
小西 陽一 奈良県立医大, 腫瘍病理, 教授 (00075061)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1986年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | ポリADP-リボース / ADP-リボシル化 / 発がん / cDNA / モノクローン抗体 |
研究概要 |
静田らはヒト胎盤よりADP-リボース合成酵素を精製し、これを元に目下90KDの蛋白質に相当するcDNAの塩基配列を決定している。決定した部分のアミノ酸は、がん遺伝子産物のc-myb蛋白質と部分的に相同性がある。一方三輪らもヒト胎盤から同酵素を精製し、1.8kbのcDNAクローンを得ている。そしてHL-60細胞の分化に併行して同酵素の発現が低下することを見出した。吉原らは牛胸腺DNAポリメラーゼ粗酵素画分中のDNA復製に関する因子の分析、精製を行い、DNAポリメラーゼα、primase自身がポリADP-リボース合成酵素のアクセプターとなることを示唆した。下山らは、ニワトリ肝臓核よりADP-リボシルトランスフェラーゼの簡便な精製法を見出し、川満・三輪らはこれを用いてヒトがん遺伝子産物のc-Ha-ras蛋白質がこの酵素によりADP-リボシル化されることを見出した。石川らは、ポリADP-リボースに対するモノクローナル抗体を用いて組織の切片を免疫染色する方法を開発し、系統発生的検索を行ない殆どの動物種にポリADP-リボースの存在を証明した。上田らは、ポリADP-リボース合成酵素の新しい強力な阻害剤、ルミノール、キノリン誘導体のキサンツレン酸を見出し、生体内における効果を解析中である。小西らは、ジエチルニトロサミン(DEN)によるラット肝発がん系においてポリADP-リボース合成酵素阻害剤である3-アミノベンザミド(3AB)が前がん病変をしての、酵素偏奇小増殖巣を増加させることを見出している。今回DENの他にも1.2-ジナチルヒドラジン、ベンツピレンもラットの種によっては同様に3ABによる小増殖巣を増加させる知見を得た。以上のように、ADP-リボシル化と発がんとの関連を明らかにする為の本研究は、1年目としての目標を十分達成したと考えられる。
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