研究課題/領域番号 |
61010093
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
藤木 博太 国立がんセ, その他, その他 (60124426)
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研究分担者 |
瀬戸山 千秋 熊本大学, 医学部, 助手 (60040250)
林 健志 国立がんセンター研究所, 生化学部, 室長 (00019671)
西野 輔翼 京都府立医科大学, 生化学教室, 助教授 (10079709)
山岸 秀夫 京都大学, 理学部, 講師 (90025429)
堀 勝治 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30037353)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1986年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | 発癌プロモーター / テレオシジンA / テレオシジンB / テレオシジンの合成発癌遺伝子 |
研究概要 |
テレオシジンは日本で発見された新しい発癌プロモーターであり、又、その化学構造が非常にユニークである。研究計画の中に、テレオシジンの化学的全合成を含めた。本年度、最大の成果は、発癌プロモーター、テレオシジンBの全合成の成功である。この研究は名古屋大学農・中塚進一助手のグループによって達成された。合成は最初、アミノ酸であるL-トリプトファンから始め、テレオシジンAとテレオシジンBの共通構造である(一)-インドラクタム-【V】を効率良く合成した。次に、既に開発したインドール環6,7位テルペン側鎖選択的導入法を用い、テレオシジンBの全合成に成功した。テレオシジンBには、4つの異性体があるが、今回、合成したものは、テレオシジンB-3とB-4であった。発癌プロモーターの化学的全合成はホルボールエステルで為されておらず、日本で初めて達成された快挙である。 発癌プロモーター、テレオシジン及びアプリシアトキシンが、細胞の遺伝子に、種々の変化を及ぼしていると考えられ、いろいろな細胞のレベルで、或いはマウスの皮膚のレベルで、その変化をとらえようと試みた。 【C_2】筋原細胞はウマ血清存在下で筋管細胞に分化する。その際、テレオシジン存在下では、【I】型mRNAの発現が抑制され、【II】型、及び【III】型mRNAのみが発現した。マウス/ラット再構成細胞は、テレオシジン処理により脱分化する。その際、生成する小環状DNAの数を比較すると、無処理の場合に比較し【1/3】に減少した。モーリス肝癌7794Aの培養系(MH7-4)とアフラトキシンB1で誘発させたラット肝癌の培養系(Kaqura1)について、テレオシジン処理によるC-myc mRNAとC-fos mRNAの発現及び分化形質発現の関連について検討した。マウス皮膚発癌二段階実験の経過中の皮膚からDNAを分離し、染色体外DNAの出現について検討を進めている。
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