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がん遺伝子産物の生理活性阻害作用に基づいた制がん剤の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 61015006
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

大槻 健藏  東北大, 医学部, 助手 (60124559)

研究分担者 逸見 仁道  東北大学, 医学部, 助手 (90165514)
江戸 清人  東北大学, 医学部附属病院薬剤部, 助教授 (40125505)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1986年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
キーワードがん遺伝子産物 / rasp21蛋白質 / NDP-Kinase / GTP結合蛋白質 / 細胞増殖阻害作用 / 制がん剤 / rasp21蛋白質の活性化阻害
研究概要

昭和61年度における本研究課題は、(1)がん遺伝子産物の1つであるrasp21蛋白質の生理活性を特異的に阻害する細胞内成分を分離精製し、(2)その化学構造および細胞増殖阻害作用を明らかにすることである。61年度に交付された補助金による研究によって次の事柄が明らかになった。1.阻害物質の精製法:(1)本阻害物質は脳および肝組織に多く含み、熱水抽出される。(2)本阻害物質は低分子(分子量約500)であるのでSephadex G-25によるゲル瀘過法によって部分精製される。(3)部分精製標品は、FPLCおよびHPLCによるカラムクロマトグラフィーによって単一物質にまで精製される。2.物性に関する知見:(1)本阻害物質は熱安定性,光感受性の低分子核酸前駆体類似物質である。(2)本物質の完全化学構造については62年度までに解決する見通しである。3.生理活性に関する知見:(1)本物質はNDP kinaseによるrasp21の活性化を特異的に阻害するばかりか、rasp21蛋白質同様のGTP結合蛋白質の活性化を阻害する。(2)rasp21蛋白質の活性化を阻害する本阻害物質の濃度で各種培養細胞の増殖を阻害する。(3)がん化した細胞およびウイルスによるトランスホーム細胞内のNDP-kinase濃度と阻害物質の細胞内濃度とは送相関の関係にある。さらに、(4)本阻害物質は非増殖細胞中にも存在するが、細胞増殖因子や各種マイトゲン刺激によって細胞増殖のシグナルが誘導されると、本物質の細胞内濃度が有意に減少する。以上の知見を総合すると、がん遺伝子産物であるrasp21蛋白質の生理活性を特異的に阻害する低分子物質の存在が実証される。さらに本物質の作用機作からrasp21蛋白質の細胞増殖における生理的役割が明確になった。今後の研究によって、本物質の化学構造が明らかにすると共に、その誘導体の合成による新しい細胞抑制物質としての開発が期待される。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kenzo Ohtsuki,et al.: FEBS Letters. 196. 145-150 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Kenzo Ohtsuki,et al.: Biochim.Biophys.Acta. 820. 322-330 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Minehiko yokoyama,et al.: FEBS Letters. 206. 287-291 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Kenzo Ohtsuki,: Seikagaku. 58. 1156-1163 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Kenzo Ohtsuki,et al.: Biocim.Biophys.Acta. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroshi Uesaka,et al.: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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