研究概要 |
我々は、チロシンキナーゼ活性を持つ受容体を介する情報伝達系路について、ホスホチロシン抗体を用いて検討し以下の結果を得た。 1.細胞をインスリンで刺激すると、1分以内にその受容体のβサブユニットと分子量185,000の蛋白のチロシン燐酸化が生じ、最大に達する。 2.細胞をインスリン様成長因子(IGF)-【I】で刺激すると、1分以内にその受容体のβサブユニットと分子量185,000の蛋白のチロシン燐酸化が生じ、最大に達する。 3.インスリンとIGF-Iによってチロシン燐酸化される分子量185,000の蛋白は、ホスホペプチドマッピィングより同一の蛋白であった。 4.細胞を上皮成長因子(EGF)で刺激すると、1分以内にその受容体と、c-erbB-2の遺伝子産物がチロシン燐酸化される。 5.インスリンとIGF-Iは非常に類似したチロシン燐酸化系路を持つが、EGFはこれらと異るチロシン燐酸化系路を持つ。
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