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myc遺伝子産物による上皮細胞の形質転換とそれに伴う核骨格、細胞骨格の変化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61015024
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

野瀬 清  東大, 医科学研究所, 助教授 (70012747)

研究分担者 千田 和広  東京大学, 医科学研究所, 助手
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1986年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
キーワードがん遺伝子 / 形質転換 / myc / 上皮細胞増殖因子
研究概要

放射線により試験管内形質転換したヒトセンイ芽細胞(CT-1)では、c-mycの発現が顕著に上昇していた。 この細胞のc-myc遺伝子をクローン化し、構造を調べたが正常c-mycと同じであった。 CT-1細胞c-myc遺伝子のSmqIEcoRI断片をSV40またはマウスメタロチオネイン遺伝子の転写プロモーターに結合して発現可能なmyc組換体を作製した(pSV2CT-myc,pMKCTmyc)。-ネオマイシン耐性遺伝子と共に種々の培養細胞に導入し、細胞形質の変化を検討した。 まずBalb/3T3細胞では、V-hasのみで低い頻度の形質転換が誘起されるが、pSV2CTmycを同時に導入すると形質転換の頻度が約5倍上昇し、形質転換細胞の形態がV-hasだけの場合とくらべ著しく紡錘形となった。 しかし、mycだけでは形質転換しなかった。 従ってc-mycの高発現はhasの機能と共役して細胞に作用し、恐らく細胞骨格のなかの微小管構造を変化させると考えられた。 次に、マウス上皮細胞JB6,ラット上皮様細胞208Fおよびヒトセンイ芽細胞にpSV2CTmycを導入し、myc発現によるこれらの細胞の形質発現を検討した。 JB6 KMST-6では導入したmycの発現は見られたが、細胞形態は対照と全く差が認められなかった。 しかし、208Fに導入した場合、mycの発現が高いクローンでは細胞形態の変化(上皮様から紡錘形)が見られた。 抗アクチン抗体を用いた蛍光抗体法により、mycの発現は細胞骨格のミクロフィラメントの重合を変化させることが示された。 さらに、208F細胞は上皮細胞増殖因子(EGF)により軟寒天内コロニーが形成されるがmycを導入したクローンではこのEGFに対する反応性が消失していた。 この消失の機構は不明だが、少なくとも受容体の変化ではなく、刺激伝達系の変化と思われる。 以上の変化とmyc発現との相関を直接的に証明するには発現量を調節するベクターを用いる必要がある。 メタロチオネインプロモーターは効果が弱いことが判明した。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Namba,Masayoshi: International Journal of Cancer. 37. 419-423 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Nose,Kiyoshi: Journal of Biochemistry. 99. 1385-1391 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Sato,Chikako: Proceedings of National Academy of Sciences,U.S.A.83. 7287-7291 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Shibanuma,Motoko: European Journal of Biochemistry. ( ) (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Chida,Kazuhiro: Cancer Research. 46. 1055-1062 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Chida,Kazuhiro: Journal of Biological Chemistry. 261. 813013-1301 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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