研究課題/領域番号 |
61015046
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池永 満生 京大, 国立大学(その他), 教授 (70025378)
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研究分担者 |
石崎 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (70111987)
小野 哲也 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (00107509)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
1986年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | 【O^6】-メチルグアニン / メチル転移酵素 / ヒト腫瘍細胞 / DNA修復 / アルキル化剤 / DNAトランスフェクション / Me【r^-】 |
研究概要 |
メチルニトロソグアニジン(MNNG)などのアルキル化剤によって作られるDNA損傷のなかで、細胞の致死や突然変異の誘発に主要な役割を演じると考えられている【O^6】-メチルグアニン(【O^6】-MeG)は、メチル転移酵素によって修復される。欧米における研究によれば、樹立されたヒト腫瘍細胞株のなかで、約20%の株は【O^6】-MeGを修復できないMe【r^-】株であると報告されている。本年度はこれらのMe【r^-】細胞に関して、以下のような研究成果を得ることができた。 1.大腸菌のメチル転移酵素遺伝子のヒト修復欠損細胞内での発現 【O^6】-MeGがヒト細胞にとって真に有害なDNA損傷であることを直接証明するために、大腸菌のメチル転移酵素遺伝子(ada遺伝子)をMe【r^-】のヒト細胞に導入して、アルキル化剤に対する反応を調べた。ada遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子の両方を持ったプラスミドDNAを、Me【r^-】のヒト細胞HeLaMRにトランスフェクトして、ネオマイシンとアルキル化剤であるACNUの両方で選抜を行った。得られた形質転換クローン細胞においては、非常に高いメチル転移酵素の活性が見られ、これらの細胞の染色体DNAにはada遺伝子が安定に組み込まれており、mRNAが活発に発現されていた。これらの形質転換クローンは親株のHeLaMR細胞よりも、MNNGに対して数十倍も抵抗性になっていた。また、MNNGによる姉妹染色分体交換も全く生じなかった。以上より、細胞の致死や染色体異常の原因となっているのは、やはり【O^6】-MeGだと考えられる。 2.日本人腫瘍細胞株におけるMe【r^-】株の頻度 種々の臓器の腫瘍に由来する細胞株40株について、直接メチル転移酵素の活性を調べたところ、このうち5株が酵素活性のないMe【r^-】株であることが分った。
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