研究課題/領域番号 |
61015048
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富山 朔二 京大, ウイルス研究所, 助教授 (30027320)
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研究分担者 |
富山 純 京都大学, ウィルス研究所, 教務職員
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1986年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 単クローン抗体 / 骨肉腫 / OST7 / 骨肉腫関連抗原 |
研究概要 |
ヌードマウスで継代されていたヒト骨肉腫Su株から組織培養が可能で且つヌードマウスに可移植性の骨肉腫細胞クローン化して得た細胞株KT005を用いて骨肉腫関連抗原の動態を調べた。ヌードマウスに移植して得た腫瘍塊から得た細胞と単層培養から得た細胞について【^(125)I】で標識した骨肉腫関連抗原 に対する単クローン抗体の一つであるOST7抗体の結合を調べると、単層培養で得たKT005細胞におけるOST7抗原の量は生体内の腫瘍細胞の1/10以下であることが明らかとなった。同時に行った非標識のOST6、OST15抗体による阻害実験の結果からOST7とOST15は同一か近接した抗原を認識する抗体であり、OST6は異った抗原決定基を認識する抗体であることも明らかとなった。別に行った免疫沈降反応の結果からこれらの抗体は同一の糖タンパク質を認識していることが明らかとなっている。この抗原は中村、田中らの研究により骨アルカリフォスファターゼであることが証明され、我我が当初から予想していたように骨分化抗原であることが確認された。これらの結果は分化抗原の発現は細胞周辺の環境の変化に応じて速かに非遺伝的に変化する場合のあることを示すもので、生体内腫瘍を抗原として単クローン抗体を得る方法論の有効性を示すものである。 新たな骨肉腫関連抗原に対する単クローン抗体を得る目的で、KT005細胞を抗原としてBalb/Cマウスを免疫し約100株のハイブリドーマを得た。このうち、ヒト正常線維芽細胞、ヒト上皮性腫瘍細胞由来のKB細胞と反応するものを除き、OST21〜OST34と名ずけた14種の単クローン抗体産生クローンを得た。現在、これらの抗体の特異性を種種の腫瘍由来の組織培養細胞を用いて検討中である。
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