研究課題/領域番号 |
61015054
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 武彦 阪大, 医学部, 教授 (60028272)
|
研究分担者 |
野口 民夫 大阪大学, 医学部, 助手 (70135721)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1986年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
|
キーワード | ピルビン酸キナーゼアイソザイム / ピルビン酸キナーゼ遺伝子 / RNAプロセシング |
研究概要 |
細胞が癌化するとピルビン酸キナーゼのアイソザイムパターンは著明に変化する。すなわち、L型やM型は減少し、【M_2】型が増加する。このような偏倚の機構を遺伝子レベルで調べるために、遺伝子の構造を解析した。私共はこれまで【M_1】型と【M_2】型のmRNAの構造と遺伝子(M遺伝子)の一部構造を明らかにし、両mRNAはM遺伝子にコードされており、恐らくRNAプロセシングの違いで生じることを示した。今年度は全構造を明らかにするために、単離したクローンの塩基配列を調べ、5′非翻訳部分を除く全エクソン/イントロン構造を明らかにした。次に、【M_1】型に固有のcDNA部分をプローブとして、【M_2】型しか発現していないAH130肝癌細胞の核RNAをノーザン分析した結果、成熟型よりも大きなRNA種に放射活性が検出された。【M_1】型と【M_2】型のmRNAの5′端が同一であることを考えると、これらの結果は同一転写産物のスプライシングの違いで両mRNAが生じることを強く示唆する。一方、L型はR型と同じ遺伝子に由来することが示唆されているので、R型のcDNAをクローン化し、その塩基配列をL型と比較すると共にL遺伝子のクローンを単離して、その塩基配列を調べた。その結果、R型とL型のmRNAは翻訳配列を含む5′端の配列のみが異なること、これらの固有の配列はそれぞれL遺伝子のエクソン1とエクソン2にコードされていること、エクソン3からエクソンにまでは両mRNAに共通であることなどが明らかになった。L型固有のエクソンの上流25塩基付近にはTATAボックスがみいだされ、プライマー伸長法によりL型の転写開始点を同定した。R型の転写開始点及びプロモーターはまだ同定していないが、これらの結果からR型とL型のmRNAはL遺伝子から異なるプロモーターを使って生成されるものと考えられる。
|