研究課題/領域番号 |
61015069
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
市原 明 徳島大, 医学部, 教授 (40035374)
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研究分担者 |
富田 優美子 徳島大学, 医学部, 教務職員 (00089913)
田中 啓二 徳島大学, 医学部, 助手 (10108871)
野田 千征子 徳島大学, 医学部, 講師 (40035506)
中村 敏一 徳島大学, 医学部, 助教授 (00049397)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1986年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | 肝細胞の増殖と分化 / 増殖因子 / 増殖抑制因子 / 初代培養肝細胞 / 過形成腫粒 / 前癌状態 / 細胞膜調節因子 |
研究概要 |
成熟ラット肝実質細胞の初代培養系は肝機能をin vitroと同様に維持し多種のホルモンに応答する唯一のin vitro実験系である。我々はこの系を用いて増殖と分化の関連機構を明らかにし様としている。その結果1.ラット血小板の凝集により分泌される肝細胞増殖因子(HGF)を見出し、これを単一蛋白に迄精製しその性質を明らかにした。従来肝細胞はインスリンと上皮質増殖因子(EGF)により増殖させることは知られていたがHGFは単独でも充分の活性があり、またこれらの因子と相加的効果を示す。現在この因子の遺伝子分離と構造決定を行っている。更に我々は血小板からこのHGFに拮抗する因子を分離しこれがTGF-βであることを同定した。更にこのTGF-βは中和蛋白(Masking protein)と結合しており、尿素処理で分離出来る分子量70万の糖蛋白である。これら三種の血小板蛋白がどの様な機構で時差的に働らくかについては末だ不明であるがこれらが眞の肝細胞増殖の調節因子と思はれる。2.幼若肝細胞の増殖と分化の関連性について我々は生後すぐの末熟肝細胞は上述の如き外来増殖因子の添加がなくとも自律的に増殖すること、この増殖因子は末熟肝細胞自身が分泌していること、この増殖は生後急速に低下し二週間後靜止状態となるが、この頃から完全分化型質であるトリプトファンオキシゲナーセが出現する。この出現は遺伝子の転寫レベルでの調節である、末熟肝細胞の分化には接触する成熟肝細胞膜の接触が必要であり、これによって増殖低下と分化増強はカスケード的に広がる。3.この様な増殖と分化の相反的機構は前癌状態にも見られ、動物に発癌剤を与えた初期に発生する過形成腫粒(hyperplastic nodule)でも分化形質のトリプトファンオキシゲナーセは消失し逆に増殖のマーカーであるグルコース-6-リン酸脱水素酸素は強く発現していた。今後この様な増殖と分化の相反機構を分子レベルで明らかにして肝再生や肝癌の動態を解明したい。
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