研究課題/領域番号 |
61015077
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 恒男 九大, 生体防医研, 教授 (70037323)
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研究分担者 |
松浦 啓一 佐賀医科大学, 副学長 (30037410)
青木 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30037402)
谷口 俊一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60117166)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1986年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | アンギオテンシン昇圧化学療法 / 強心剤 / 血管拡張剤 / 2経路化学療法 / シスプラチン / カルボコン |
研究概要 |
要約〕(1)いわゆる昇圧化学療法の治療効果を更に増強させるために、強心剤及び血管作用薬の併用を検討し改良型昇圧化学療法を提出した。(2)また一方、従来の2経路化学療法と昇圧療法を併用することにより局所癌療法として極めてすぐれた化学療法が開発出来た。 1) 小豆大に発育させたマウス乳癌に対し、アンギオテンシン【II】昇圧時に制癌剤DDP又はCQを投与すると通常の化学療法に比して明らかに制癌効果が増強する。この昇圧化学療法に対してトランスオキソカンファー又はアミノフィリン等の強心剤を併用したところ、副作用の増強なしに更に一層の制癌効果の増強(腫瘍縮少率として5〜6倍)が得られた。この効果は強心剤に限らず、血管拡張剤であるニトロプルシッドナトリウム又はパパベリンによっても同様であった事から、腫瘍血流に対する相対的有利条件が得られたものであると解釈出来る。このことは培養条件に於いては、上記薬剤の相剰効果が得られない事からも支持される。現在、これら薬剤の投与タイミング、投与薬液量等を基本的に検討している。 2) 従来我々の開発になる2経路癌化学療法を更に一層効果的にするためにアンギオテンシン【II】の併用を工夫してみた。ラット下肢に大きく育てた(小指頭大)癌に対して今回の「2経路昇圧化学療法」を施したところ、DDPの毒性は上げずに、明らかにこの治療群は抜群の制癌効果を示した。 上記1),2),の基礎実験成績は、いづれも従来の癌化学療法の治験では見られなかった成績であり、すでに臨床試験も患者の症例を選んで開始して、かなりの手答えが出始めている。
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