研究課題/領域番号 |
61015093
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
北川 誠一 自治医大, 医学部, 講師 (50133278)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | マクロファージ / リポポリサッカライド / BCG / スーパーオキサイド / 膜電位変化 / 1価陽イオン / 2価陽イオン / ホルボールエステル |
研究概要 |
マウス腹腔常在マクロファージ(Mφ)、リポポリサッカライド(LPS)またはBCGで活性化した腹腔Mφを用いて、Mφの活性化及び脱活性化の機序を検討した。活性酸素(スーパーオキサイド、【O(^-_2)】)産生能をMφ活性化の指標とした。必要に応じて、カバーグラス面上に粘着させたMφを用いて、細胞膜電位変化(脱分極)及び【O(^-_2)】産生を経時的に記録した。代謝誘導物質としてホルボールミリステートアセテート(PMA)を用いた。これらの実験から以下の事項を明らかにすることができた。1.LPSまたはBCGで活性化したMφの【O(^-_2)】産生能は、常在Mφに比し、著明に亢進していた。2.MφにPMAを作用させると、すみやかに膜電位変化(脱分極)が認められ、膜電位変化は【O(^-_2)】産生に先行して認められた。また、活性化Mφの脱分極は、常在Mφの脱分極に比し、著明に亢進していた。3.活性化Mφをin vitroで培養すると、【O(^-_2)】産生能及び膜電位変化はともに減弱し、培養3日目には、常在Mφとほぼ同程度になった。即ち、脱活性化が認められた。4.この脱活性化は、通常の【Na^+】溶液で測定すると認められたが、【Na^+】を完全に【K^+】で置換した溶液で測定すると認められなかった。即ち、培養3日目でも、【K^+】溶液中では著明な【O(^-_2)】の産生が認められた。5.【O(^-_2)】産生に及ぼす1価陽イオンの影響を検討すると、【K^+】>【Rb^+】>【Choline^+】>【Cs^+】=【Na^+】>【Li^+】であった。このことは適度なイオン分子の大きさと相関することを示している。6.培養3日目活性化Mφの【O(^-_2)】産生は、細胞外2価陽イオンに依存し、【Ca^(2+)】よりもむしろ【Mg^(2+)】に強く依存していた。7.ホルボールエステルに対するレセプターの数及び親和性は、常在Mφと活性化Mφとの間に差はなく、また、細胞外1価陽イオンによっても影響を受けなかった。これらの実験結果から、Mφの活性化及び脱活性化の1機序として、細胞内刺激伝達機構の修飾が存在すると考えられた。
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