研究課題/領域番号 |
61020007
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
須賀 尭三 宇都宮大, 工学部, 教授 (00162842)
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研究分担者 |
福岡 捷二 建設省, 土木研究所, 室長
灘岡 和夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (70164481)
石川 忠晴 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50159696)
田中 仁 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30171755)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 河口閉塞 / 河口砂州 / 導流堤 / 波と流れ |
研究概要 |
本研究では、河口導流堤による河口砂州の河道内への侵入を阻止するメカニズムを、現地資料および実験により明らかにし、導流堤の機能を明確にすることを試みた。ここでは、河口部の砂移動現象を2つのプロセス、すなわち、(1)河川流による河口テラスの形成、(2)波による河口砂州の形成に分離した。本研究では、第一段階として、掃流形式での砂移動現象に限定して検討を行った。以下に、得られた成果を列記する。 1.河口テラスの形式については、簡単なモデルにより、その形式の予測が可能となり、実験結果との対応も良好であった。テラス形状と外力との関係において特徴的な点は、河道内の剪断応力の大小により、テラスの細長比(aspect ratio)が大きく変化する点である。また、導流堤諸元の変化がテラス形状の変化をもたらすことが認められた。従来、導流堤の効果として疎通能力・掃流能力の増加が強調されているが、更に、テラス形状を制御する構造物としての効果を付加する必要がある。 2.後半の河口砂州形成のプロセスにおいては、上記のテラスの形が、その後の河口閉塞に対して大きな影響を有していることが明らかとなった。すなわち、沿岸方向にテラスが広がるほど、波浪の河口部への集中が顕著でなくなり、砕波により河口部へ移動する土砂量が減少し、その結果、河口閉塞の低減がもたらされる。 3.羽越荒川(新潟県)、および北上川(宮城県)における河口データを検討した結果、室内実験で確認されたものと同様のテラス地形が認められた。このことから、テラス地形は、河口部での排出土砂が多く、また土砂の粒径が大きく掃流型式の土砂移動が支配的な場合には、かなり一般的に生じる可能性があるものと考えられる。
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