研究課題/領域番号 |
61020029
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 義則 山口大, 農学部, 教授 (70081495)
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研究分担者 |
元田 雄四郎 九州大学, 農学部, 教授 (50038311)
中山 敬一 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (90009697)
羽生 寿郎 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00009515)
堂腰 純 気象協会北海道本部, 北海道大学名誉教授 (70001378)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 農村構造 / 冷害被害 / 凍霜害危険度 / 農業気象災害 / 自然災害抵抗性 / 耕地環境 / 放射冷却 |
研究概要 |
農村は高度成長時代には人的資源の供給を要請され、また、減反政策によっては耕地そのものの用途変更や放棄を強制されるなど、人的,物理的両面から構造の変化に見舞われてきた。これらの変化は対自然災害抵抗性の低下、あるいは、それ自身の加害要因化をもたらすと考えられた。そこで四大学で地理的特性に注目しつつ共同研究を実施した。 北海道(北大班)では、人的構造の変化に着目し、技術継承力が失なわれつつある農村部における冷害のコメ生産への影響を追究した。技術指針を忠実に履行した農家群に対して、手抜きをした農家群では同一冷害気象環境下にありながら、37%もの収量減となること、その原因は労力・冷害予防知識の不足の相乗作用,水管理の不十分,栽培意欲の減退,水田環境の不備であることを明らかにした。 関東(千葉大班)においては、耕地環境の物理的構造変化に対する問題点を摘出した。農村部は都市部に比較し、気温が冬季2〜3℃低下すること、宅地開発に伴い虫食い状態となった農地でも同様な傾向があり凍霜害危険度が増大することを微気象観測により明らかにした。 中国地方(山口大班)でも物理的側面から整理し、放棄された水田の雑草化があると本来の状態に比較して2〜5℃衣上も抵温化する冷熱源化現象を見出し、そのメカニズム解明の基礎実験を行った。雑草が放射面積の増大をもたらし冷却を促進させ、同時に地中熱伝達を減少させて冷却促進に作用させること、また風速低下を伴い乱流熱交換を弱めることなどを明らかにした。 九州(九大班)では、集中豪雨の被災度合を農村構造の変化に関連づけて解析を行った。農村の集団的崩壊によりそれまで必要としていた水利施設(タメ池)が放棄された場合、管理体制も消失し、豪雨下のさらなる加害要因となることを明らかにした。
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