研究分担者 |
宮村 忠 関東学院大学, 工学部, 助教授 (60157675)
須賀 堯三 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00162842)
松田 磐余 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60087145)
椎貝 博美 筑波大学, 構造工学系, 教授 (20016322)
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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研究概要 |
1986年台風10号による東北および関東における洪水,氾濫,被害の実態について、理学的,工学的,農学的および社会学的調査を行い、この災害の特性を明らかにし、あわせて今後の調査方法などに関して若干の考察を加えた。 この災害は、茨城,栃木,福島,宮城各県にとっては、きわめてまれな豪雨であり、特に小見川,那珂川,阿武隈川,吉田川,馬淵川に破堤を伴う大規模氾濫が発生し、都市,農村を問わず、多面的被害が比較的長期にわたって経続した。破堤箇所が建設省直轄区間のみで10箇所、県管轄区間で29箇所の多きに上がったこと、産業構造の変化に起因する新型の水害が各地に発生したこと、警報伝達などに新設備が各地に設けられ、その成果が発揮されたが、一面においては十分に機能を発揮できなかったことなどにこの災害の特質が見られた。(高橋) 個々の地域の災害実態については、那珂川,小見川について地形との関係から(松田)、同地域を農業災害の観点から農業と農村の変化との関係について(中山),関東各河川の洪水規模の評価(須賀)那珂川の水害(椎貝)逆川の水害(須賀)に報告されており、特に災害情報の伝達と住民の避難行動については逆川水害の栃木県茂木町について詳細に調査された。(広井),また、小見川水害については、歴史的に土地利用との関係から被災構造と治水との関係を(宮村),農地圃場整備と流出特性との関係を(須賀)調査し、災害と土地利用変化との関係を、水害の本質解明を目ざして行われた。 東北地方に関しては、福島宮城両県の都市型水害(首藤,柳沢),堤防破壊(首藤,佐々木,柳沢),特に吉田川の氾濫(首藤)についての調査が重点的に行われた。堤防破壊については、特にこの災害で多数の越水、破堤が生じたことを重視して、各破堤地点ごとに詳しく調査された。馬淵川についても別個調査されている(佐々木)
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