研究課題/領域番号 |
61025006
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷川 昭 東北大, 理学部, 助教授 (40004460)
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研究分担者 |
植木 貞人 東北大学, 理学部, 助手 (40004501)
三品 正明 東北大学, 理学部, 助手 (70004421)
松沢 暢 東北大学, 理学部, 助手 (20190449)
海野 徳仁 東北大学, 理学部, 助手 (30004477)
堀内 茂木 東北大学, 理学部, 助手 (00004490)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 火山体深部構造 / 潜在的活動度 / 地震波速度構造 / 地震波減衰構造 |
研究概要 |
岩手山、秋田駒ケ岳を含む岩手県北部・秋田県北東部の火山地域及びその周辺に6点の臨時観測点を設置した。既存の定常観測点と合わせ構成される稠密観測網データに基づいて、火山地域及びその周辺の詳細な深部構造、微小地震活動特性が明らかになった。P波,S波及びPg,【P^*】等の後続波の到達時刻データを用いて、この地域の地殻構造が調べられた。その結果、コンラッド面の深さは約18km、モホ面の深さはおよそ34km程度で北に向って深くなっている等、詳細な地下構造が明らかになった。またP波及びS波到達時刻データを用いた三次元インバース法による解折では、火山体下に顕著なP波、S波低速度域が存在し、それは火山体直下からおよそ100km程度の深さの深発地震面付近に迄達している。火山体直下では周囲に較べて【V_p】/【V_s】比も顕著に大きな値をもつことも見出された。観測点近傍で発生した地震のコーダ波を用いて、地震波減衰構造が調べられた。その結果、この地域及びその周辺のコーダQ値空間分布が推定された。解析された2〜24hzの周波数範囲で、火山地域下に顕著な低Q域存在すること、かつその低Q域の分布範囲及びその形状が明らかにされた。火山地域下で発生する微小地震の深さ分布が調べられ、過去に比較的大きな内陸被害地震の発生した非火山地域ではおよそ20km程度の深さ迄微小地震が分布するのに対して、火山地域ではせいぜい十数km程度迄の地殻浅部にしか分布していないことが明らかになった。 以上、岩手山、秋田駒ケ岳等の火山体下の詳細な深部構造、浅発微小地震活動特性が明らかになり、現在作業中の比抵抗分布の解析も含め、火山の潜在的活動度を評価する上で、これらの情報が重要な指標となり得ることが確かめられた。
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