研究課題/領域番号 |
61025016
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研究種目 |
自然災害特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大町 達夫 東京工大, 国立大学(その他), 助教授 (90126269)
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研究分担者 |
年縄 巧 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00188749)
翠川 三郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00143652)
森地 重暉 東京理科大学, 理工学部・土木工学科, 助教授 (50013173)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 波動伝播 / 3次元 / 不整形地盤 / 表面波 |
研究概要 |
地盤を伝播する表面波の理論解は、平行層地盤について導かれたものはあるが、基盤が傾斜していたり、表層地盤が3次元的に変化しているような場合には、従来の意味での表面波は厳密には存在せず、境界条件や地盤形状を反映した複雑なものとなる。 そこで我々が既に開発している有限要素技法を用いた平行層地盤におけるラブ波の簡易数値解析手法を拡張して3次元的不整形地盤に適用するために、平行層仮定によって導かれた表面波の解し振動形,位相速度,群速度等)がどのような条件ならば不整形地盤における近似解として工学的に許容できるかを数値解析と模型実験によって明らかにした。まず、最も簡単な不整形地盤として傾斜した基盤を持つ2次元地盤を考え、この地盤の振動・波動特性を数値解析的に調べた。要素内一定ひずみの有限要素法によって、この地盤の固有値解析を行った結果、(1)勾配が20%以下の傾斜地盤の深さ方向の振動形は低次の場合には平行層における振動形と相似であること、(2)傾斜地盤上のある点での卓越周期はその地点での層厚から1/4波長則によって計算された周期よりも10〜20%短かいこと、等がわかった。次にアクリルアミドゲルを用いて、勾配が10%未満の模型弾性地盤を作成し、この地盤における波動伝播特性を調べた。その結果(3)傾斜層内の位相速度や群速度はその点の層厚を持つ平行層の値とほぼ等しいこと、自由表面上の一点を単発加振した場合、(4)波が深い方向から浅い方向へ伝播する場合には各地点ではその地点の層厚に対応した周期成分があらわれること、(5)波が浅い方向から深い方向へ伝播する場合には、加振点の層厚に対応した周期成分が各地点に現れ、これよりも長い周期成分を持った波は伝わらないこと、等がわかった。これらによって3次元的不整形地盤における表面波動に対する効率的な解析手法を開発しうる手がかりが得られた。
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