研究課題/領域番号 |
61030028
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅井 冨雄 東大, 海洋研究所, 教授 (80025288)
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研究分担者 |
田中 正昭 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027240)
河村 武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20111362)
谷治 正孝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70015577)
松野 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (40037172)
木村 竜治 東京大学, 海洋研究所・海洋気象部門, 助教授 (20013576)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1986年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 大気汚染 / 大気汚染物質 / オキシダント / 長距離輸送 / 局地風 / 海陸風 / 山谷風 |
研究概要 |
本研究は、過去数年間にわたって実施してきた臨海地域および内陸域それぞれにおける大気汚染の研究成果を総括的に解析し、大気汚染物質の大気境界層-自由大気間の交換や、地表面への沈着をはじめ、汚染物質の変質を含む輸送と収支において局地風系の果す役割を明らかにするとを目的とする。 1.沿岸型大気汚染 一次汚染物質(NOx)濃度は朝・夕の交通量増加時に高く、夕方から翌朝まで高い。沿岸域ではNOx濃度は朝に最高濃度が出現し、午前中の陸風時に比較的高い濃度を維持する。二次汚染物質(主として【O_3】)濃度は日の出と共に増大し始め、陸風から海風へ交替すると共に、急増し、海風最盛時に最高となる。その頃NOx濃度は最低である。夜間から早朝にかけての陸風時にOxはバックグラウンド濃度以下となる。同じような気象状態が続くと、Ox濃度にも同様な日変化が見られるが、その最高値は高くなり、閉鎖的風系の蓄積効果を示す。 2.内陸型大気汚染 一般に、【O_3】は、一次汚染物質として排出されたNOxなどの紫外線による光化学反応によって生成され、日中生成された【O_3】は夜間に上層の自由大気との混合やNOxとの化学反応、或いは地面への吸着などによって消滅すると考えられる。したがって【O_3】濃度は日射量の大きくなる日中に高く、そして一次汚染源付近で高くなる。上田における【O_3】濃度の日変化によると、正午過ぎに【O_3】濃度は高くなっているが、その値は50ppb程度であり、内陸盆地域で通常観測されるものである。一方、午後遅くに【O_3】濃度は急激に高くなり正午頃の値よりはるかに高い100ppb以上に達すことがある。前者は盆地内の汚染源に起因する局地的汚染、後者は長距離輸送による広域的汚染と考えられる。
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