研究課題/領域番号 |
61030065
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
依田 恭二 阪市大, 理学部, 教授 (80046937)
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研究分担者 |
及川 武久 筑波大学, 生物学系, 助教授 (70011682)
今井 勝 筑波大学, 農林学系, 助教授 (20125991)
内嶋 善兵衛 農林水産省, 農業環境技術研究所, 科長
村田 吉男 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (70011997)
和田 秀徳 東京大学, 農学部, 教授 (50011870)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1986年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 二酸化炭素濃度 / 植物による物質生産 / 気候変化 / 生態系の炭素循環 / C3,C4,CAM植物 / 水利用効率 / 光合成と環境条件の相互作用 / 森林の破壊と再生 |
研究概要 |
1.二酸化炭素濃度変化の植物生産への影響:植生上でのガス交換過程に関する微気候的考察に基ずき、新しい乾物生産評価法を導き、日本・東アジア・世界の自然植生の乾物生産力の分布を評価した。また、このモデルを用いて、二酸化炭素倍加条件の気候シナリオ下での植物生産力の変化を評価した。二酸化炭素倍増下では、わが国の自然植生の生産力は平均9%増加した。この結果、わが国では、二酸化炭素濃度の増加は植物生産力を高める方向に働らくことが明らかになった。 2.C3,C4型作物の光合成・蒸散と二酸化炭素濃度,温度の影響:二酸化炭素濃度と光合成の関係は温度により大きく変化し、特にC4型で影響が大きかった。また、蒸散は高二酸化炭素濃度下で抑制されたが、その傾向はC4型で著しかった。以上の反応を反映して、水利用効率は二酸化炭素濃度が高いほど、上昇することがわかった。 3.熱帯林の維持と炭素循環:熱帯林の維持機構と炭素循環との関連を明らかにするために、熱帯林の生産力を求める基本式である黒岩の物質生産理論式の性質をくわしく調べた。環境条件と剰余生産との関係では、二酸化炭素濃度が高いほど全体の剰余生産力は上昇した。剰余生産と南中時の最大照度との関係では、南中時の最大照度が高いほど剰余生産力は上昇した。また暗呼吸速度が大きいほど全体の剰余生産力は減少したが、剰余生産に対する暗呼吸速度/光飽和光合成速度比は最高剰余生産力に影響しなかった。 4.落葉広葉樹林の伐採・再生に伴う炭素循環の変化:ブナ林の再生過程での炭素循環の詳細な調査をもとにモデルを組み、伐採後の植物体の成長,枯死過程,土壌有機物の蓄積・分解過程を復元し、伐採間隔を変化させた時の植生・土壌系の炭素蓄積量の変化を予測した。この生態系の回復には150年を要し、短周期伐は炭素量をへらした。
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