研究分担者 |
渡辺 定夫 東京大学, 工学部, 教授 (10011214)
野村 好弘 東京都立大学, 法学部, 教授 (00083311)
黒木 三郎 早稲田大学, 法学部, 教授 (80063189)
植田 和弘 京都大学, 経済学部, 助教授 (20144397)
浅野 直人 福岡大学, 法学部, 教授 (90078494)
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研究概要 |
今年度の研究は、4地域(神奈川,豊橋,明日香,福岡)の調査研究を中心に推進され、その成果は11月21,21日の豊橋シンポジウム及び12月20日の横浜研究成果報告会で発表された。まず総論的な結論として、現行土地利用制度の中心である都市計画及び農業振興地域制度が既得権益の確保を前提に組み立てられる傾向にあり、環境配慮組み込みシステムが十分に確立されていないこと、及び市街化区域以外の土地利用施策が極めて不十分であり、無秩序な開発に対する制御が困難になっていることが明らかにされた。この点で上記課題に対する施策体系の検討が必要になってくる(1987年度予定)。その際、税・財政制度の活用,各種協定などの契約手法の活用,区画整理や再開発などの権利交換手法などを活用することが考えられる。更に土地利用調整のための組織的対応の重要性や土地利用計画におけるランドサットデータの有用性が指摘された。次に4地域の事例研究のうち、神奈川班の横浜小組は、都市と親水性,通過道路と歩道,市街地再開発の問題について実証的研究を行い、近郊衛星都市小組は、主に相模原市の農地所有者の意識調査及び地域環境のアメニティに対する住民意識調査とその結果分析を行ない、白地小組は、県内の白地地域の開発規制と環境保全の問題を検討した。豊橋班は、開発を志向ししかも緑と水の豊かな都市づくりを進めている豊橋市の実態調査、特に今年度は豊川総合用水事業の調査を行った。明日香班は、土地利用図,等高線図,航空写真を作成,利用して、フィールド調査と合わせて歴史的景観の歴史的展開を調査した。その結果、一定の範囲に保全領域が残されていることが判明した。福岡班は、航空写真を用いながら福岡都市圏の土地利用の変還をミクロ・マクロ的に分析すると共に、ひき続き現地調査を行うことによって土地利用に係わる問題点(たとえば道路用地取得の困難性など)を明らかにした。
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