研究分担者 |
太田 幸雄 北海道大学, 工・衛生工学科, 助教授 (00100058)
北野 康 椙山女学園大学, 教授 (10022500)
富永 健 東京大学, 理・化学教室, 教授 (50011531)
小野 晃 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (50111860)
田中 正之 東北大学, 理・超高層物理研究施設, 教授 (90004340)
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研究概要 |
本研究班の最大の目的は、大気中における微量気体およびエアロゾルの増加とその環境影響の研究について過去に科研費の環境科学特別研究を中心に行われた研究結果を報告書にまとめ、更に大気化学の今後の研究方向につき提言を行うことにある。その分野は性雨,【CO_2】ハロカーボン等の微量ガス炭素粒子,土壌粒子等のエアロゾルの大気放射に及ぼす効果、ハロカーボン,メタン等の微量ガスの大気オゾンに及ぼす効果,遠隔計測を中心としたものであって、現在印刷中である。それに付随して今年度得られた各研究者による結果の中重要なものを下記に列記する。1.小野は1986年9月に神戸-上海間の粒子性質を調べ、粗大粒子中の【NO(Λ--3)】粒子は海塩粒子と共存し、フライアッシュ・土壌粒子は表面が〓でおおわれていることを見出した。他方微小粒子の【NO(Λ--3)】は【(NH-4)-2】【SO_4】と複塩を形成している。2.太田,中島は大気粒子の組成分析に基づく粒子による光吸収係数を測定し、ポーラネフェロメータによる吸収係数の測定値と比較し、大気粒子中の炭素粒子,土壌粒子の放射に与える効果を研究している。3.田中,中沢は絶対精度0.1ppm,相対精度0.01ppmの精密計測システムを開発し、我国はもとより対流圏内,太平洋上,南極等で【CO_2】の地球規模分布とその変動につき精度の高い測定を行っている。4.富永は1979年より北海道においてフレオン,パークレン,トリクレン等のハロカーボンの長期的観測を行っており、フレオン濃度は着実に増加しているが、後2者の増加はみられないことを見出している。富永,伊藤は更に気球に取り付けたクライオジェニックサンプラーを用い、高度約28km迄のフレオンや【CH_4】の垂直分布を測定している。5.竹内は大型,小型ライダーを用い、都市域のエアロゾル,【NO_2】の分布を測定するとともに、境界層,海陸風前線,ヒートアイランドの構造決定を行い、更に国内,国外の他の研究者と協力して火山煙を追跡している。
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