研究課題/領域番号 |
61035005
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研究種目 |
環境科学特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
力石 国男 弘前大, 理学部, 助教授 (70038561)
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研究分担者 |
福田 洋一 弘前大学, 理学部, 助手 (30133854)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 東京湾 / 海水流動 / 海水交換 / 潮流 / 潮汐残差流 |
研究概要 |
東京湾の海水流動と海水交換を調べるために、過去の膨大な海潮流データを統計解析するとともに、数値計算の手法によって東京湾の流れのモード解析を行い、さらに固有振動の計算や潮汐シミュレーションなどを行った。その結果、以下のような知見が得られた。 まず、水平循環流については、東京湾(狭義)を時計回りに循環する流れ(流速は5cm/s前後)と、東京湾の西岸に沿う南下流の存在が確認された。一方下層では、浦賀水道から東京湾に入る北上流(2-5cm/s)が卓越している。流れのモード解析によれば、東京湾はその地形ゆえに水平方向には閉じた循環流を形成しやすい。従って、東京湾の海水交換は、基本的には下層からの外洋水の流入と上層からの湾水の流出による鈴直循環流によってなされている。東京湾水の入れ替りに要する日数は、数百日のオーダーである。次に、潮汐シミュレーションによって、東京湾では潮汐残差流が大きな値を示すことが明らかになった。その大きさは、湾口部付近で10cm/sに達し、場所により時計回り、半時計回りの循環流を形成する。定性的には、潮流の観測データから得られた平均的循環流と良く似たパターンを示している。また、潮流によるドリフトカレント(ラグランジュ流)も、東京湾口部付近で10cm/sに達する大きなものであり、外洋水の流入に寄与していることが明らかになった。潮汐に伴う海水交換は、潮流と塩分(または、水温、懸濁度など)の同時観測がなされてないので、定量的な評価は難しいが、鉛直循環流による海水交換と、ほぼ同じオーダーの大きさであると推定される。振動計算により、東京湾は7時間,2時間,90分などの固有周期を持っていることが明らかになった。これは、これまでの観測値とほぼ一致する値である。
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